Nippon News Network(NNN)
今週、日本テレビは「Good For the Planet」ウイークとして、地球にいいこと、未来のためにできることを視聴者の皆さんと一緒に考えていきます。 そのためのカギが「news every.」でも取り上げてきたSDGsです。全部で17ある目標のうち、3日に取り上げるのは「住み続けられるまちづくりを」です。注目されるのは「ごみ」の活用。東京・渋谷の中心で新たな取り組みが始まっています。 ◇ ◇ ◇ ■コーヒー“カス”を肥料に 渋谷の取り組み 中島芽生キャスターが訪ねたのは、東京・渋谷の百貨店の中にあるカフェ。すると、開店前の店にやってきた1人の男性が、店員から何かを受け取っていました。 渋谷肥料・坪沼敬広代表「『渋谷肥料』というプロジェクトでして、生ごみを肥料に変える取り組みをしております」 受け取ったのは、コーヒーをいれたあとに残る“カス”でした。坪沼さんは、渋谷にある5つのカフェと協力し、コーヒーカスを回収。それを肥料などに変える活動を行っています。そして、ごみを抱えて向かったのは百貨店の屋上。 渋谷肥料・坪沼敬広代表「この機械で肥料をつくります」 こちらは生ごみ処理機です。ここに先ほど回収したコーヒーカスを投入。すると、微生物の力でごみが分解され、たった1日でコーヒーカスが土に栄養を与える堆肥になるというのです。できあがったものを触らせてもらうと…。 中島キャスター「納豆っぽい香りがします。そこにちょっとコーヒーが混ざっている」 見た目は土のような堆肥。生ごみ処理機は他の2つのビルにも設置されていて、ごみを捨てるのではなく、活用する動きが広がりつつあります。この取り組みを始めたきっかけは? 渋谷肥料・坪沼敬広代表「『どうせ渋谷って汚いよね、ごみが多いよね』というような諦めの感情みたいなのが街の中にあるなと思ったときに、ごみを単に捨てておしまい、燃やしておしまいのものではなくて、新しい何かを生み出せる街に姿を変えていくことができないか」 飲食店などから多く出される生ごみを活用して、新しい価値を生み出せないかと考えたのです。 ■“ごみゼロ”へ 徹底した分別とリサイクル ごみを活用した“住み続けられるまちづくり”。その究極の形が徳島県にありました。町にある施設に続々とやってくる人たち。手には大量のゴミ袋をさげています。実はここ、ごみを集める施設。上勝町ではごみの収集を行っておらず、町民自ら、町唯一のこの施設にごみを持ち込んでいるのです。中でも、一番力を入れているのが、徹底したごみの分別とリサイクルです。 上勝町ゼロ・ウェイストセンター 大塚桃奈さん「なるべくごみを燃やさない、埋め立てないということを目的に、ごみを分けることによって資源に変えています」 缶はスチール、スプレー缶、アルミの3分別。回収すれば資源となる紙は、牛乳パックやトイレットペーパーの芯など細かく9分別。そのほか金属類やシジミなどの貝殻に至るまで、なんと45項目に分別しているのです。 上勝町に住む人「もう(分別は)当たり前です。昔は(抵抗が)ありましたけど、今は分別しないと気持ち悪い」 この取り組みのきっかけとなったのが、2003年に町で採択された全国初の“ごみゼロ宣言”。焼却炉を廃止した上で、当時、「2020年までにごみをゼロにする」という目標を掲げました。そして、ごみを細かく分別することで、確実にリサイクルできる仕組みをつくりあげたのです。 その結果、町ではリサイクル率80%以上を達成。全国平均の約20%を大きく上回っています。この上勝町を手始めに、今では全国5つの自治体が“ごみゼロ”宣言をしています。 ちなみに、この施設を上から見ると、“ハテナマーク”の形に!「なぜごみは減らないのか考えてほしい」という思いが込められているそうです。 上勝町ゼロ・ウェイストセンター 大塚桃奈さん「45分別そのままそっくり都市部でやるというのは、やはりハードルが高いと思います。ごみをなくすというマインドは、どの地域でもどの人でも取り入れることができる」 ■コーヒーカスでハーブ栽培…様々な製品開発へ 再び東京・渋谷。カフェから回収したコーヒーカスを肥料などにする取り組みでは、こんなものがつくられていました。オフィスビルの屋上で育てられていたのは、ハーブの1種、ローズマリーです。まだ始まったばかりですが、ごみから植物を育てる循環ができつつあります。 今後は、育てた植物からとったオイルなどを使い、石けんづくりを行うなど、様々な製品を開発することが目標だということです。
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