新型コロナウイルス対策の緩和で観光客の戻った岐阜県大野郡白川村荻町の合掌造り集落で、ごみのポイ捨てが問題になっている。集落に公共のごみ箱はなく、捨てられるのは食べ歩きの串や紙くず、たばこの吸い殻のほか、村外から持ち込まれたものも。観光事業者は各店での引き取りやごみ箱の設置を徹底する一方、村は集落に入るバス車内での回収を検討するなど、解決策を模索している。
「2月ごろはコロナ前よりひどい日もあった」。集落の飲食店や民宿などでつくる荻町発展会の藤坂俊幸会長(49)は、ごみの多さに顔をしかめる。
同村への観光客は、2019年に過去最高の215万人を記録。21年に42万人まで落ち込んだが、入国制限が緩和された昨秋から徐々に回復し、22年は77万人まで戻った。それに伴い、ポイ捨てをはじめとする観光客のマナー問題が再熱している。
年明け以降は集落に大勢の観光客が行き交い、道路や田んぼの脇にはポイ捨てが急増した。村にないコーヒーチェーン店の空カップが置かれていたり、使い捨てカイロやマスクが雪の中に埋めて隠されていたこともあった。藤坂会長は「犬の散歩ついでに拾うと、すぐに袋がいっぱいになった」と明かす。
発展会は2月、「このままでは住民も観光客も気持ちよく過ごせない」と会員に協力を求める文書を通知した。観光客が他店舗で買った食べ物のごみも“お互いさま”の精神で引き取ること、喫煙所外でたばこを吸う観光客を注意することなどをお願いし、ごみ袋を配って各店舗でのごみ箱設置や回収を呼びかけた。目立つ場所でのポイ捨ては落ち着いたものの、今でも捨てられたごみがたびたび目に付くという。
村は過去に、観光客用の駐車場にごみ箱を設置したこともあったが、団体バス1台分の弁当箱が捨てられるなど量の多さが問題となり、撤去した。村観光振興課の吉實秀典課長は「回収や分別、処分が追いつかなかった」と説明する。現在は集落の入り口であるバスターミナルでの回収や、バス車内で動画による啓発ができないか、バス会社と協議を進めている。吉實課長は「マナーを周知し、きれいな観光地づくりを進めたい」と話した。
からの記事と詳細 ( 白川郷、ごみに悩む「コロナ前よりひどい日も」 観光客のポイ捨て増、村全体で解決模索 - 岐阜新聞 )
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