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Wednesday, March 17, 2021

【3月18日付社説】プラごみ削減新法/循環利用を加速する契機に - 福島民友

 プラスチックごみによる海洋汚染が深刻化しており、環境や人の健康に大きな影響を及ぼす恐れがある。行政と企業、家庭が連携してプラごみを減らしていくことが急務だ。

 政府が、プラごみのリサイクル強化や排出削減に向けた「プラスチック資源循環促進法案」を閣議決定した。来年4月の施行を目指している。法案の背景には海洋汚染のほか、プラごみの焼却処分が政府の掲げる脱炭素の障害となることがある。

 日本などからプラごみを原材料として輸入している中国が2017年末、受け入れを停止した。東南アジア諸国でも同様の動きが進んでいる。輸出による処分が難しくなり、国内でプラごみを減らして、再資源化する必要性が高まっている。

 政府には法案の実効性を高め、国内で製造、使用されたプラスチックは国内で処理する仕組みを構築することが求められる。

 法案には、環境に配慮したプラスチック製品の指針をつくり、適合した製品を国が率先して購入することなどが盛り込まれた。環境省はコンビニなどで提供される、使い捨てのプラスチックのストローやスプーンから代替素材への転換も進めるとしている。

 家庭などから出るプラごみについては、ペットボトルなどに加えて、文房具や玩具なども資源ごみとして一括回収するよう市町村に求める。市町村と企業がプラごみをリサイクルして商品化する際に必要な許認可を緩和し、再資源化の取り組みを後押しする。

 製造から提供、使用、回収の各段階の施策を同時並行で進めることで、削減と再資源化の効果を最大限にしていくことが重要だ。

 環境省のごみの排出と処理に関する調査によると、本県のプラスチックを含めたごみのリサイクル率は12.9%で、全国平均を大きく下回っている。1日1人当たりのごみの量は1029グラムで、平均より約100グラム多い。

 一般家庭では、まずはプラスチックを含めたごみの量を減らしながら、再利用が可能なごみをしっかりと分別する生活習慣を根付かせていく必要がある。

 法案に先行して始まった小売店のレジ袋有料化は、定着が進んでいる。マイバッグを持ち歩くようになったという人も多いだろう。法案が可決、施行されれば、店で使い捨てのスプーンなどが提供されなくなるなどの変化が予想されている。プラごみ削減の意義を受け止めて、生活の変化に対応していきたい。

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