原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の処分地選定をめぐって、長崎県対馬市の商工会は第1段階の調査にあたる「文献調査」の受け入れについて議論を求める請願を市議会に提出する方針を決めました。
「核のごみ」は、地下300メートルより深くに最終処分場を設けて埋める「地層処分」を行うことが法律で決まっていて、処分地の選定に向けて20年程度をかけて、3段階で調査を行うことになっています。
19日は、対馬市商工会の理事会で第1段階の調査にあたる「文献調査」の受け入れについて議論を求める請願を市議会に提出するかどうかについて協議しました。
協議は非公開で行われ、商工会によりますと事前に会のメンバー117人に対してアンケート調査を行った結果、請願を提出することに「同意する」が全体の65%と多数を占めたことが報告されました。
このアンケートを踏まえて、理事会で話し合った結果、請願を提出する方針が決まったということです。
商工会では、6月下旬から始まる市議会に請願を提出する方針です。
対馬市商工会の山本博己会長は、「人口減少が進む中で、文献調査の受け入れは対馬の未来にとってよいことなのかどうか、市議会で丁寧な議論を求めたい」と話していました。
文献調査は、火山や断層の活動状況などを2年程度かけて調べる調査で、現在、北海道の2つの自治体で行われていて、対象の自治体には、国から交付金として最大20億円が支払われます。
対馬市では先週、建設業の業界団体が「文献調査」への応募を市に働きかけるよう求める請願を提出する方針を決めた一方、一部の市民団体は反対の請願を提出することにしていて、島内で議論になっています。
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