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Thursday, November 17, 2022

「早く仲間がほしい」 核のごみ調査で分断された町の叫び:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

 「核のごみ」(原発から出る高レベル放射性廃棄物)の最終処分場選定に向けた全国初の文献調査が、北海道寿都町と神恵内村で始まって17日で2年。両町村では「対話の場」が続くが、住民の議論が深まったとはいえず、次の概要調査に進むかは不透明だ。両町村の関係者からは、あとに続く自治体が出ず、全国的な議論に発展しないことへの不満の声が上がる。

 15日夜、寿都町の総合文化センター「ウィズコム」。事業主体の原子力発電環境整備機構(NUMO)と町が開いた「対話の場」の終了後、会場のボードにはびっしりと付箋(ふせん)が貼られていた。この日の議題だった「町づくり」について、住民代表の15人の委員が出した意見だ。

 「概要調査に進まなければ町づくりの話ができない」「文献調査、概要調査をしっかりやるべき。良いか悪いかはそれから判断すべき」。産業や観光、インフラへの考えだけでなく、調査への支持もあった。

〈核のごみ〉 原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃液をガラスで固めて金属容器に入れた「ガラス固化体」のこと。放射線量が十分に減るまでに10万年程度かかるとされる。国は2000年に特定放射性廃棄物最終処分法を定め、これらを地下300メートルより深い場所に数万年以上埋める「地層処分」をすることを決めた。処分場の選定プロセスは20年に及び、文献調査(2年)、実際に地面を掘る概要調査(4年)、地下施設をつくる精密調査(14年)と続く。02年から文献調査受け入れの公募を始めた。

 対話の場は、NUMOが昨年4月に寿都町と神恵内村で始めた。寿都町ではこれまでに13回開き、専門家の講演や視察を通して地層処分や原子力について学んできた。ただ、委員は町議や産業団体の代表らで構成され、推進派が多い。開始当初、委員の人選やNUMOが主催することについて反対派が反発し、数人が退任した経緯もある。

 対話の場とは別に町は住民向けの勉強会も開くが、参加は低調という。片岡春雄町長は9月、報道陣に「本州方面で文献調査に手を挙げるところがなく勉強会がやりにくい。仲間が増えることによって、町民が勉強できる雰囲気をつくりたい」と語り、国やNUMOに「早く仲間をつくってほしい」と注文した。

賛否で二分された町

 町民の分断も背景にある。片岡町長が2020年8月に文献調査への応募検討を明らかにした後、町は賛否に二分された。ある町民の男性は「今も分断は続いている。町が元に戻るには調査をやめるしかない」。

 国は概要調査に進む前、両町…

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