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Sunday, December 5, 2021

給食生ごみ、堆肥に変身 豊中のNPO - 読売新聞

 豊中市のNPO法人が、学校給食の食べ残しなどから 堆肥たいひ を製造し、野菜栽培などに活用している。給食から出る生ごみは水分を多く含むことから、同市では年間約130トンにもなるといい、「焼却には大量のエネルギーが必要になる。堆肥にして減らすことで地球環境を守れる」と意義を話す。(大森篤志)

 給食生ごみには、食べ残しのほかに食材として使った野菜の皮、へたなどの調理くずがある。市内37小学校に1日約2万3000食を提供する給食センターから出る生ごみは、市内の「緑と食品のリサイクルプラザ」に運び込まれるが、その量は米飯の給食時で1日約1000キロ、パンではその半分ほど。カレーライスなど人気メニューの日は少なくなる傾向という。

 市民らでつくるNPO法人「花と緑のネットワークとよなか」は約4年前から、生ごみに 剪定せんてい した街路樹の枝を混ぜ、機械でかき混ぜたり熟成させたりして約3か月かけて堆肥「とよっぴー」を製造している。

 当初は、生ごみから作られていることに抵抗感を持つ人もいたが、土壌改良の効果が大きいことから人気を呼ぶようになり、月2回の販売時には家庭菜園に利用しようと大勢の市民が訪れている。製造した「とよっぴー」の一部は農家に無料で提供し、育てた野菜をイベントで販売したり、給食の食材として活用したりしているほか、自治会などに配って公園や空き地の花壇づくりにも役立ててもらっている。

 NPO法人では、リサイクルプラザ近くの畑で親子を対象にした農業体験も実施し、食育の普及促進にも努めている。

 11月20日には親子15人が参加し、「とよっぴー」で土づくりをした畑にネギを植えつけた。小学2年生の長女と参加した豊中市内の男性は「自分で野菜を植えたり収穫したりすることで『食品ロス』など多くの問題への関心が高まった。娘もご飯を残さなくなった」と笑顔で話した。

 家庭ごみでも、焼却に多くのエネルギーを使う生ごみは約4割に上るといい、NPO法人代表の高島邦子さんは「水切りや分別など自宅でできる小さなことを積み重ねることで、人も地球も幸せになれる」と話している。

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