皆さん、家にいる時間が増えた昨今、どうやって過ごしていますか?
私は……
濃厚な鶏白湯スープを自宅で煮出しております。
なぜ鶏白湯スープを煮出しているのか
最近は、めっきり自宅にいる時間が多くなり、自炊をする機会が増えたのですが、近所のスーパーで買える食材に飽きがきていました。
「少しだけ非日常的な食材を使って、本格的でおいしい料理を簡単に自宅で作りたい!」
そんな想いを抱えていたところ、出会ったのが冒頭の冷凍鶏ガラパックです。これは板橋区にお店を構える鳥新さんが販売しているのですが、こだわりがものすごいんです。(※正式名称はトンチーコツという商品名です。)
原料となる鶏ガラは、国産親鳥のガラ100%で添加物不使用。老舗のお肉屋さんが丁寧に灰汁抜き・洗浄・下処理をしているので、煮出すだけで通常の鶏ガラよりも短時間で濃厚な鶏白湯スープが作り出せる。そして、ティーバッグタイプで片付けも簡単で1kg780円(税抜)。
……これは最強なのでは!?
(ちなみに一般的にスーパー等で売られている若鶏のガラは、灰汁抜き・洗浄・下処理がされておらず、素人が家庭で雑味のない鶏白湯スープを作るのは非常に難易度が高いそう。
そのため鶏ガラは長年の間、売っても買われずで廃棄するしかなく、多くのお肉屋さんの悩みのタネになっていたらしい……。)
もし濃厚な鶏白湯スープが簡単に自宅で作れれば、料理の幅も一気に広がりそう! これは興味深いと思い、「冷凍鶏ガラパック」を販売している板橋区の鳥新さんに行ってきました。
冷凍鶏ガラパックを購入した後、オンライン取材にて鳥新店長の徳さんに詳細を伺ってみると、業務用としては、何年も前から小学校やラーメン屋さんに冷凍鶏ガラパックを卸してきたとのこと。3年ほど前から店頭で小売りを始めたところ、徐々に話題の商品になりつつあることを教えてくれました。
これはめっちゃくちゃにうまいスープが取れるのかもしれない……。
そう思った私ですが、決して自炊レベルが高いとは言えず、キッチンや調理器具等も十分に揃っておりません。そんな状態でもおいしい鶏白湯スープは作れるのか? 実際に調理をしてみました。
思った以上に簡単な鶏白湯スープ作り
こちらが購入した冷凍鶏ガラパックです。1袋1kgなので、なかなか存在感がありますが、一人暮らしの冷凍庫でも無事に収まりました。
パックの中を開いてみると、丁寧に砕かれた立派な鶏ガラがたっぷり! これで780円(税抜)はお値打ちなんじゃないでしょうか。
そして、鶏白湯スープの作り方はこちらです。(店頭に置かれた鶏白湯スープの作り方より引用)
①お鍋に水5Lと本品(1kg)を入れて弱火で煮込む。
②2Lになるまで2時間半程煮込む。
③完成!!
要するに、水を入れて弱火で煮込むだけ。シンプルで難しい工程は一切ありません。簡単すぎる……!!
ただ、勘のよい方はお気付きかもしれませんが、5Lの水と1kgの冷凍鶏ガラパックが入る大きな鍋が必要になりますよね。これは一人暮らしにはハードルが高い……。
そんな事情を店長の徳さんに相談してみたところ、半分量での鶏白湯スープの作り方を教えていただきました。
①お鍋に水1Lと本品半分(500g)を入れ、わりばし等で水位を計り印をつける。
②火をつけて弱火で煮込む。水位が下がったら鍋に水を足す。それを繰り返し、トータル1.5Lの水を追加で入れていく。
③煮込んで水位が計り印になったら完成!!
この方法であれば小さな鍋でも同様に鶏白湯スープが抽出できるわけです。ありがたや……。
では早速、鍋に冷凍鶏ガラパックと水を投入し、弱火でじっくり煮込んでいきます。
蒸発して水位が減ったら水を追加→水位が減ったら水を追加……を3回ほどループしていきます。驚くことに、実際に煮込んでみるとほとんど灰汁が出てこないので、いちいち取り除く作業は発生しませんでした。
煮込んで2時間程経った鶏白湯スープがこちら。鶏ガラのうま味がかなり溶けだしてきました。
さらに1時間後。継ぎ足し継ぎ足しで1.5Lの水が鍋に入りました。キッチンには鶏白湯スープのいい香りが……。ゴール目前です!
最後に調整しながら煮込み続けて、目印の水位になりました。鶏ガラはパックに入っているので濾す必要もなく、非常に簡単においしそうな鶏白湯スープが仕上がりました。(※煮出し時間は、鍋や火の状況で変動いたしますので多少前後する可能性がございます。)
完成としか言いようがないくらい完成しています。
不純物もほぼ浮いておらず、濃厚な鶏のうま味が出ていそうなスープができました。上手くいってるのか心配なので味見してみます!
ズズッ……
……イケる!
素人が作ったとは思えないレベルの出汁が出ています。鶏の風味が余すところなく感じられる……。これは楽しみ!!
では早速、この濃厚鶏白湯スープを使って料理を作っていきたいと思います。
間違いないであろうラーメンが間違いなかった
まず作っていくのはラーメンです。冷凍鶏ガラパックを知った瞬間から、最初に作るのはラーメンだと決めておりました!
そして、鶏白湯スープを活かしたラーメンにしたいということで、無添加のラーメンタレと中華麺を高級系スーパーでチョイスしてみました。こういうのが手軽に手に入るのは嬉しいですね。
作り方は簡単。ラーメンのタレを鶏白湯スープで割るだけ。
見てこの期待しかない黄金色のスープ……!
硬めに茹でた中華麺を投入すれば、あっという間に完成です!
今回は鶏白湯スープのポテンシャルを感じたいので、トッピングは万能ねぎのみにしてみました。今後出てくる料理も具材は極力シンプルにしておりますが、もちろんお好みの食材を入れて楽しんでいただいて全く問題ありません。
さあさあ、焦る気持ちを抑えつつまずはスープから……
……
あ、名店……。
インスタントラーメンとは比較にならないうまさ。鶏白湯スープの圧倒的なうま味で塩味の角が取れており、味わいが非常に奥深くなっています。
こりゃもうたまらんと、麺を一気にすすりこむ!
……
くぅ~~~~~~~!!
のけぞるうまさ。
鶏ガラのコラーゲンによって、とろみが出たからでしょうか。スープが麺によく絡みます!!
満足感と食べごたえがしっかりありつつ、上品な鶏白湯スープが全体をまとめ上げていて、おすすめです。
鶏白湯スープで作る濃厚カレーライス
ラーメンの次は、店長の徳さんに教えていただいたカレーライスを作ってみます。
徳さんいわく、「冷凍鶏ガラパックは主婦のお客様にご購入いただくことも多いのですが、カレーライスに使っているらしいです」と有益な情報を教えてもらったので、実際に作ってみることにしました。
さて、鶏白湯スープとカレーは、どんな相乗効果をもたらしてくれるのか。楽しみです!
こちらも食材はシンプルにカレー粉と人参と玉ねぎ。オーソドックスな香味野菜のみで作っていきます。
そして、カレー粉のパッケージに書かれている分量の水の代わりに、同量の鶏白湯スープを投入。食材に火が通るようにしっかり煮込んでいきます。
最後にカレー粉を入れてとろ火でじっくり煮込んだら……。
鶏白湯スープで作ったカレーの完成です!
いつも食べているカレーと比較するとドロッとしている印象です。鶏白湯スープのゼラチンが影響しているのでしょうか? 何にせよおいしそうです。
では失礼して……いただきま~す!
……
にっこり☺
これには思わずえびす顔。
なんですが、この安心感は。
スパイスの複雑な味や刺激で舌を楽しませる系のカレーではなく、心を包みこんでくれる慈悲深く懐かしい系のカレーに仕上がりました。
まさに「ワンランク上の家カレー」という表現がしっくりきます。これもおすすめです。
絶対試して欲しいシンガポールチキンライス
最後に作ったのは、自分の大好物かつ、いつか作ってみたかったシンガポールチキンライスです。
鶏白湯スープでお米を炊き込むシンプルな料理。それだけに素材の良さがダイレクトに感じられる一品になりそうです。
ということで、まずはにんにくと生姜と玉ねぎをみじん切りにして、香りが出るまで炒めていきます。
そして、上記とお米1合を炊飯器に入れ、水の代わりに鶏白湯スープを注いでいきます。硬めに仕上げたいので、規定ラインよりも気持ち少なめに入れていきます。
あとはスイッチを押して炊くだけ。思っていたよりだいぶ簡単でした。
炊飯中、あまりに食欲をそそる香りがするので嗅ぎに来てしまいました。新手のアロマですね。
さあ、炊き上がりました。
果たして上手くできているのか……。
オープン!!
完の璧ですわ。
食欲をそそる香りはもちろん、ご飯がパラパラで良い感じです!
今回も主役である鶏白湯スープ本来の実力を測るべく、鶏肉を入れずに作ったので少し寂しい姿ではありますが、きれいに盛り付けていきます。また、パクチーが近所のスーパーになかったので、三つ葉で代用してみました。
そして、少しだけ余った鶏白湯スープは、塩と生姜と万能ねぎを加えた鶏スープにしてみました。
それではいただきます!
……
うまっ!!!!
うますぎてブレました。
噛めば噛むほどに米の甘みと鶏の風味が感じられて、にんにくと生姜も程よく効いている。これはレンゲが止まりません!
刺激的すぎるという事も平坦という事もなく、絶妙なバランスで全く飽きません。気が付けばペロリと1合を平らげてしまいました。
これはちょっと食べ過ぎたかな……と思ったのですが、店長の徳さんいわく、鶏白湯スープのほとんどはコラーゲンなので、カロリーはほぼないとのこと。意外にもヘルシーということで、罪悪感なく食べられるようです。(でもお米1合食べたら……そりゃねぇ)
以上、鶏白湯スープ500mlで
- 醤油ラーメン(1食)
- カレーライス(2食分)
- シンガポールチキンライス(2食分)
- 鶏スープ(1杯)
が堪能できました。
しかも、冷凍庫にはまだ半分の鶏ガラパックが残っているので、もう1周これができるわけです。非常にコスパよくワンランク上の自炊を楽しむことができそうです。
ちなみに抽出した鶏白湯スープは、冷蔵の場合は2日が消費期限の目安とのこと。また抽出したスープを凍らせれば3~6ヶ月程度は保存可能とのことです。いやめっちゃ便利!(※スープを冷ます際に菌が繁殖しやすいので急冷冷蔵を推奨します。)
皆もやろう! 自宅での鶏白湯スープ作り
という訳で「鶏白湯スープ」作りに初挑戦しましたが、個人的には大成功でした。
本格的なラーメン作りの入門としても良いですし、濃厚な鶏白湯スープを使って何を作るか考えるだけでもワクワクしてしまいますね。
おうち時間は鬱々としがちですが、じっくり鶏白湯スープ作りに向き合って、おいしい料理を作って味わうのは非常に良い過ごし方でした。
最後にこちらの冷凍鶏ガラパックですが、板橋の店頭にて購入可能です。遠方の方はお電話でお問合せ下さいとのこと。
冷凍鶏ガラパック、ぜひお試しあれ!!
お店情報
鳥新
住所:東京都板橋区仲宿39-3
電話:03-3962-2983
営業時間:10:00~19:00
定休日:日曜・祝日
HP:http://www.torishin.jp/index.html
書いた人:ディスク百合おん
ナードコアという特別なテクノを得意とするミュージシャン。コンビニで手に入る食品を合わせて新しい料理を作りあげる「コンビニかけ合わせグルメ」を紹介する人として様々な媒体に取り上げられ、同名の初書籍が2017年11月2日(木)に発売。山本さほ「岡崎に捧ぐ」に登場する杉ちゃんのモデルという棚ぼた知名度も獲得している。
からの記事と詳細 ( 数時間煮込むだけで濃厚鶏白湯スープが大量に錬成できる「冷凍鶏ガラパック」でラーメンやカレーを作ってみた - メシ通 )
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