Pages

Wednesday, July 14, 2021

【TOKYOまち・ひと物語】渋谷のごみを肥料に 坪沼敬広さん - 産経ニュース

TOKYOまち・ひと物語

渋谷のごみを肥料に 坪沼敬広さん

「理想の渋谷を追いかけている」と話す渋谷肥料代表、坪沼敬広さん=渋谷区渋谷(根本和哉撮影)
「理想の渋谷を追いかけている」と話す渋谷肥料代表、坪沼敬広さん=渋谷区渋谷(根本和哉撮影)

新しい文化が生まれる街、渋谷。流行の中心地として若者が行き交う場所だが、近年はハロウィーンイベントでの大騒ぎや落書きの増加など、「汚い」というイメージも持たれ始めている。そんな渋谷で出たごみを肥料へと再生させ、それを基に化粧品やスイーツなどの商品を作る取り組みが進んでいる。「渋谷肥料」代表の坪沼敬広(たかひろ)さん(34)は「渋谷を循環の出発点へシフトさせたい」と意気込み、消費の街・渋谷に新しい価値観を生み出そうとしている。

きっかけは2年前、渋谷で行われたイベントに参加したことだった。「渋谷から世界に発信したいアイデア」を考えてグループごとに発表するという内容で、坪沼さんらは渋谷で顕在化するハロウィーン後のごみ問題に着目。調べてみると、渋谷区で出るごみの70%が事業ごみ、そのうち45%が生ごみで、「事業系生ごみ」の割合が非常に多いことに気が付いた。「これが全部肥料になればいいのに」。そんな考えから、渋谷のごみを肥料にし、育てた作物から新たな商品を生み出す「渋谷肥料」プロジェクトを立ち上げることになった。

3商品開発進む

肥料の基となるごみは、渋谷で出た生ごみや、カフェが廃棄するコーヒー粉の残りカスなどだ。これらを仕入れて機械を用いて発酵させ、オリジナルの肥料を作製している。これをそのまま販売するのはもちろん、肥料を基にしたオリジナル商品の開発も行っているのが、渋谷肥料プロジェクトの特徴だ。

現在開発しているのは「サーキュラー(循環)」の名を冠した3種類の商品。生ごみを堆肥化し、種と土をセットにして袋に詰めた植物栽培キット「サーキュラーキット」、作製した肥料を用いて屋上菜園で栽培されたハーブのオイルから作るせっけんや化粧品などの「サーキュラーコスメ」、肥料を基に栽培されたサツマイモを用いたケーキやマカロンなどの「サーキュラースイーツ」だ。これらは渋谷の企業や専門家の力を借りつつ、「親しみのあるものを」との思いから開発を進めているという。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 【TOKYOまち・ひと物語】渋谷のごみを肥料に 坪沼敬広さん - 産経ニュース )
https://ift.tt/3wz85Py

No comments:

Post a Comment