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Thursday, May 20, 2021

飛島の海ごみ回収ロボ、NICTの研究に採用 - 朝日新聞デジタル

鵜沼照都

 山形県唯一の離島・飛島(酒田市)に流れ着く大量の海ごみをロボットで回収できないか。仙台高専などが進めるそんな研究が、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の支援を受けることになった。人手の省力化が新型コロナ対応につながると評価された。

 日本海に浮かぶ飛島には流木など大量のごみが流れ着き、かつては一部を燃料に使っていた時代もあったという。だが、昨今はプラスチックのごみが増え、景観の悪化だけでなく、マイクロプラスチックとして海洋汚染を引き起こす要因にもなっていた。

 ごみは毎年、ボランティアによるクリーンアップ作戦などで回収してきた。だが、島民が高齢化してきているのに加え、新型コロナウイルスの影響で人手を集めるやり方に限界も出ていた。

 今回の研究は、ドローンや自走ロボットにAI(人工知能)を施すことで、ごみ回収の少人数化・低コスト化をはかろうというものだ。

 仙台高専総合工学科の園田潤教授の研究室が中心となって進めている。ごみを運搬するロボットの部分は酒田市内の農機具メーカー「石井製作所」が担い、組み込むソフトウェアやAIの部分はベンチャー企業「ダーディット」(同)が担当。さらに、海ごみの回収や飛島に詳しい鶴岡工業高専や、飛島を拠点に活動する合同会社とびしまも協力する。

 NICTが公募した新型コロナ対策を実現するためのICT(情報通信技術)に提案したところ、研究費2千万円が充てられることになった。期間は2021年からの2年。

 仙台高専の園田教授は「この研究から得られる技術は汎用(はんよう)性が高い。全国の離島や沿岸部の漂着ごみ対策だけでなく、農林水産業での荷物運搬やレーダーを搭載し地中をスキャンすることによる堤防などのインフラ点検など、幅広い分野で応用できるだろう」と話している。(鵜沼照都)

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