Peloton(ペロトン/日本には未上陸)は去年、激しい浮き沈みを経験しましたが、最近になって小規模なテック企業を買収しています。今回の買収劇は同社が自社製ウェアラブルを検討中か、少なくとも既存製品にAI搭載の機能を追加するとほのめかしているように見受けられます。
買収した会社とその製品
BloombergとWareableの最近の記事はPelotonが2020年末にAiqudo社、Atlas Wearables社とOtari社を買収したと報じています。Aiqudo社は、デベロッパーたちがアプリやデバイスに音声アシスタントを追加できるようサポートすることが専門のAIスタートアップ。Otari社はスクリーンを備えたインタラクティブなワークアウトマットを開発した企業です。同社のマットにはフォームを直したりレップ数をカウントしたりするタイプのAIコーチングが搭載されています。そしてAtlas Wearables社はウェイトと体重の動きを使ったワークアウトを正確に記録するという、他社の製品ができていない技術に注力したウェアラブルセンサーを開発しています。
なかでも特筆すべきは、Atlas Wearables社の買収です。同社は多種多様なアクティビティ(HIIT、クロスフィット、ブートキャンプ、強度トレーニングなど)のパーソナルトレーナーによる実際の動きを基にエクササイズの膨大なデータベースを構築しています。現時点で多くのトラッカーとスマートウォッチが強度トレーニングを提供しているものの、行なったエクササイズのレップ数を記録することに関しては未熟です。こういったアクティビティは、Apple Watchのように他のメトリクスとの組み合わせに基づいて消費カロリー、心拍数と継続時間が記録されるのみ。発売されているウェアラブルのほとんどが有酸素や回復力を中心としたアクティビティとメトリクス向けであって、現在のフィットネストラッキングにおける最も大きなギャップの1つとなっています。
ハードウェア&機能拡張したそう
買収企業の技術を全部合わせてみると、Pelotonはよりよいワークアウトの自動検出機能、音声アシスタントとおそらくAIによるフォームのコーチングを盛り込めるようハードウェア拡張の下準備をしているようにみえます。現在の同社のエコシステムを考慮すると、これは説得力のある考えです。同社のエクササイズバイクとトレッドミルはどれも大型スクリーン付きで、新型モデルではスクリーンが回転するのでサイクリングやランニングから他の運動へと簡単に切り替えられます。しかもPelotonは心拍数モニターも販売していて、Apple Watchと連携可能。そのうえ同社は最近、いわゆる「ワークアウトのプレイリスト」を簡単に作れるStacked Classesという機能をリリースしたばかり。たとえば、30分のエクササイズバイクの後に20分の強度トレーニングと10分のクールダウンを組み込めます。アクティビティの切り替えを自動的に記録できたり、フォームについてのフィードバックをその場で提供できたりするスマートウォッチのようなガジェット(あるいは画面上のAIによる検出)が加わったら、ものすごい功績になるでしょう。
他にも判断材料はあります。Pelotonは12月に世界最大のフィットネス器具メーカーのPrecor(プリコー)も4億2000万ドルで買収しています。当時はPelotonのサプライチェーンを補強して多くの新規購入者をイラつかせた数カ月に及ぶ納品遅れに対処するための動きのように見えました。Precorの全米にある生産施設の獲得に加えて、契約には同社の100人近くの研究開発チームも含まれていたのです。理論的に言えば、この契約はPelotonに自力で新ハードウェアを生産する能力を与えることになります。
これら一連の買収から何が生まれるのか、まだ当分は分かりません。Peloton自体がパンデミック後の自社の成長について強気である一方、悪評を得た納品遅れと閉じ込められていたストレスでロックダウンが開けたら人々がジムへと戻っていく漠然とした可能性はあります。それでも、こういった買収劇はPelotonがコネクテッドフィットネスの世界でよりパワフルかつ影響力を持つ企業になる未来を示しているようにみえます。
Source: CNBC, Bloomberg, Wareable, Indiegogo, Atlas Wearables,
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