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Saturday, November 18, 2023

公園を占拠する大量の荷物 住みついたホームレス ごみを川に…トラブルも|STV NEWS NNN - 日テレNEWS

札幌市中心部の公園に置かれたたくさんの荷物。

持ち主はそこに住みついているホームレスの男性です。

札幌市民だけでなく多くの観光客が利用する「憩いの場」としてあるべき姿なのか。

その実態を取材しました。

公園にスーツケースや炊飯器 鍋や食料も…

新鮮な海産物が並ぶ札幌の二条市場。

平日でも多くの観光客が訪れる、札幌を代表する観光地のひとつです。

(宮崎記者)「二条市場からもほど近い創成川公園ですが、通路にたくさんの荷物が置かれています」

並んでいるのは大小さまざまなスーツケース。

上にはレジャーシートが広げられています。

その脇にはたくさんの傘、さらに炊飯器に鍋、キムチなどの食料も置かれていました。

早朝、荷物の前にはごみが散乱し、カラスがたかっています。

現れた1人の男性 ごみを川に捨てる様子も

そのとき、シートの下から現れたのは1人の男性。

雨が降っていないにもかかわらず傘を差し、壁に向かって立っています。

男性がしていたのは立ち小便。

言うまでもなく、この場所で用を足すのは厳禁です。

次に始めたのは掃除。

ホウキを使って落ち葉を掃いていますが、ごみはそのまま川に捨ててしまいました。

男性から事情を聞こうと試みますがー

(宮崎記者)「こんにちは。STVの宮崎です」

(男性)「行け、行け」

男性は手を払い、会話を拒否。

(宮崎記者)「寒くなってきましたが」

(男性)「いいから行きなさい」

(宮崎記者)「ずっとここにいるんですか?」

(男性)「…」

この日、男性から話を聞くことはできませんでした。

公園に住みついた男性 荷物の撤去を拒み続ける

公園の管理者は、7年前に荷物が置かれているのを知ってから景観や通路の安全性を考慮して撤去するよう説得していますが、男性は片付けを拒み続けています。

(札幌市公園緑化協会 中村佳子さん)「おじさん、おじさんいます?体調どうですか?大丈夫ですか?」

生存確認のため、毎日のように声かけを実施。

負担も増しています。

(札幌市公園緑化協会 中村佳子さん)「本当に困っていますとしか言えない。いろんなことはやってきた。正直大変ですね。荷物も公園としての見栄えも悪いですし、ここは街中なので狸小路とか二条市場もあって外国の観光客も多い。みんな見ていくし」

荷物の持ち主はホームレスの男性。

どこからともなくものを運んできてねぐらを作り、住みついてしまったというのです。

憩いの場として親しまれている創成川公園。

この現状を利用者はー

(利用者)「こわい。昼間だったら大丈夫ですけど、何かわからないし」

(利用者)「そっと見守るしかないですね。日常過ぎて『無』という感じ」

(利用者)「見た目、環境が悪く感じるということ。世間体から周りから見てもいいようには感じない」

札幌市は公園を許可なく占用することを禁じています。

(札幌市建設局 与那覇政史課長)「違法性があるので、声掛けして撤去するようにとお願いはしていますけども、同意を得られていない。同意を得ずしてやるのは難しい。最終的には行政代執行というのもあるんですけど、それにはすごく公共の福祉を著しく害しているとか、ほかに方法が何もないという状態になって初めてできる」

道の調査によりますと、全道のホームレスの数は減少が続いていましたが、ここ数年は横ばいでことしは35人です。

命を落としかねない冬 ホームレスを支援

(札幌市ホームレス相談支援センター 山中啓史主任相談員)「こんにちは。起きれないか」

声をかけているのは、ホームレスを支援する事業者です。

地下街や公園などを定期的に巡回し、相談を受け付けています。

(札幌市ホームレス相談支援センター 山中啓史主任相談員)「地下だとベンチとかがあって、移動しながら過ごしている人は椅子ごとに休み休み移動していたりするのかなと見えることが多かったから、冬は寒さをしのげるし夏は涼しいし」

冬には命を落としかねないホームレスの生活。

(札幌市ホームレス相談支援センター 山中啓史主任相談員)「こんにちは。寝てるか。一応紙置いていくので冬大変だったら連絡ください」

創成川公園でも継続的に声をかけていますが、支援につながらないのが現状です。

(札幌市ホームレス相談支援センター 山中啓史主任相談員)「支援者側が先走っちゃったりしがちだと思うので、それを本人に合わせながら自分たちと信頼関係を築いて、本当に支援できる立場になるまでってすごく時間かかる作業なのかなと考えています」

公園や駅などで生活する、いわゆる“見えるホームレス”は支援者の目が届きやすい一方、ネットカフェや車の中などで生活する“見えないホームレス”をどう把握していくかも課題となっています。

賃貸物件を提供し支援する不動産会社も

(めぐみ企画 金城めぐみ社長)「当社が貸し出している物件になります。ワンルーム10畳くらいでバス・トイレ別になります。いつ入居しても大丈夫なように布団を置いています」

ホームレスを支援する札幌の不動産会社です。

仕事や身寄りがなくても部屋を借りられるのが特徴で、2019年からの5年間でおよそ200人のホームレスが利用してきました。

賃貸物件は家具・家電付きで家賃3万7000円から。
(※この物件は管理費込みで3万9000円)

生活保護手続きのサポートをして入居を促しています。

(めぐみ企画 金城めぐみ社長)「忙しいのは12月ですね。12月となると雪が降りだすじゃないですか。路上に生活できないんですよね」

スーツケースが川に捨てられるトラブルも発生

取材を始めて2週間。

(宮崎記者)「あ、川に何か浮いています」

(カメラマン)「本当だ」

創成川の中にあったのは、男性のものとみられるスーツケース。

さらに別の場所でもスーツケースがー

男性の荷物が何者かによって川に投げ捨てられていたのです。

このようなトラブルは度々起きているといいます。

(札幌市下水道河川局 及川公志さん)「通報がありましたら対応せざるを得ないのでしているんですけど、なかなか処理も大変なところもあるので、川の中に投棄はやめていただきたい」

専門家は、地域の課題としてとらえる必要があると指摘します。

(北星学園大学社会福祉学部 松岡是伸准教授)「ホームレスの問題と言ってしまうと少し冷たい感じがするような言葉で、響きとしては対岸の火事のような形で聞こえてくるんですけど、ホームレス状態にある人は孤立孤独の問題を抱えている。そこに至る過程でいろいろなものを失っていることが多い。不安定な住居にある人の問題を、地域や社会が私たちのこととして理解することが初めの第一歩かなと思います」

冬が近づくも…公園に住み続ける男性

冬が近づき、寒さを増す札幌の夜。

男性のもとを再び訪れましたがー

(宮崎記者)「こんばんは、お話うかがえませんか」

(男性)「…」

男性は沈黙のままです。

公園で長年見過ごされてきた荷物。

孤立・孤独を深めるホームレスにどんな支援ができるのか、問いかけています。

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