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Friday, June 2, 2023

「世界のプラごみ、40年までに80%削減可能」 UNEP報告書 - 毎日新聞

ごみで埋まった水路でプラスチックごみをより分ける男性=ニューデリーのタイムール・ナガル地区で2018年6月12日、松井聡撮影 拡大
ごみで埋まった水路でプラスチックごみをより分ける男性=ニューデリーのタイムール・ナガル地区で2018年6月12日、松井聡撮影

 海など環境中に流出するプラスチックごみは2040年までに8割削減が可能――。国連環境計画(UNEP)がプラ製品の再使用などを進めることで、汚染を大幅に減らすことができるとする報告書を公表した。

 報告書によると、世界で生産されているプラ製品の総重量は年約4億3000万トン。3分の2以上を容器包装など短期間で捨てられる製品が占める。

 環境中に流出するプラごみを減らすには、化石燃料から新たに作るプラの量自体を減らす必要がある。報告書によると、最も削減効果が期待できるのはプラ製品の「再使用」。中身を詰め替えて繰り返し使う容器の普及など、各国政府が再使用を促す政策を講じることで、40年時点で想定されるプラごみ流出量を30%減らせると推計した。

 また、リサイクル拡大で20%、プラ容器を紙製に替えるなど代替素材への転換で17%削減できると見積もった。リサイクル推進には原料の化石燃料への補助金廃止などの政策が有効だという。

 報告書はこうした対策を進めることで、40年までにプラスチックの新規生産が半減し、環境へのプラごみ流出量は80%以上減ると指摘。対策に必要な投資額は年約650億ドル(約9兆円)だが、プラごみ削減で人の健康や環境への悪影響を抑えられ、21~40年に3兆3000億ドル(約460兆円)のコストを回避できる見込みだという。

 プラごみ対策を巡っては、広島市で5月19~21日に開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)で、40年までに新たな環境汚染ゼロを目指すことで合意。UNEPの下で、24年までにプラ汚染根絶を目指す国際条約案の政府間交渉が進んでいる。【岡田英】

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