佐井村の気候変動対策への事業計画が、国の「脱炭素先行地域」として県内で初めて選ばれた。村は今後、海岸への「漂着ごみ」を利用した熱供給の設備導入や、太陽光発電と蓄電池の設置を進める。
環境省が、民生部門(家庭や事業所)の電力消費に伴う二酸化炭素の排出量を、2030年度までに実質ゼロにすることを目指す取り組み。選ばれると、国から5年間で最大50億円が交付される。選定は4月28日付。これまでに全国83市町村で62の提案が選定されている。
佐井村の事業計画は「日本で最も小さくかわいい漁村のゼロカーボンへの挑戦」と銘打ち、漁村の特徴を生かした取り組みを推し進める内容となっている。例えば、海岸に漂着するペットボトルやポリタンクなどのごみを地元漁協と連携して回収し、樹脂燃料に加工して水産加工場のボイラーで利用する。村内の約43キロに及ぶ海岸線に漂着するごみは、毎年数百トン分に上るという。
村などが出資して設立した新電力「さいエナジー」の事業も拡大し、住宅や事業所に太陽光パネル計3メガ・ワット分と蓄電池を設置するほか、村有地に太陽光発電所を新設する。村内の沢を使った小水力発電や風力発電の電力も、さいエナジーが小売り事業者として村内で販売する。
再生可能エネルギーの導入で脱炭素を目指すと同時に、電力を村内で消費する「自家消費」を増やすことで、これまで電力会社に支払ってきた電気料金を村内で循環させることができる。
村は、村内の家庭や事業者が支払っている電気料金は年に約5億円と試算しており、村内の再エネによる発電を自家消費に回すことで、同規模の経済効果が生まれると見込む。
村総合戦略課の東出隆広課長は、「先行地域の認定をきっかけに、脱炭素と地域振興を加速度的に進めていきたい」と意気込む。
からの記事と詳細 ( 佐井村脱炭素先行地域に 漁村「漂着ごみ」燃料利用 再エネ導入も注力 - 読売新聞オンライン )
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