バスルームには洗面道具ではなく、ペットボトルが山積みになっていた(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
関西地方のゴミ屋敷に住む20代女性はその撤去作業中、涙が止まらなかった。一見すると仕事もプライベートも充実していそうな彼女は、自らの部屋の理想と現実のあまりのギャップに苦しんでいた――。
本連載では、さまざまな事情を抱え「ゴミ屋敷」となってしまった家に暮らす人たちの“孤独”と、片付けの先に見いだした“希望”に焦点をあてる。
生活ゴミしかない20代女性の汚部屋
「この部屋に住んでいるのは10年くらいで、散らかり出したのは3年前から。仕事の帰りが深夜の1時、2時という日がずっと続いて、帰ってきてから何もする気になりませんでした。ご飯はいつもコンビニ。そういう生活がルーティン化してしまって。自分の理想と現実が……。本当はできるのに、現実はできない。誰にも言うことができなくて、悪循環に……」
女性は涙を流しながらそう話した。大阪市から車を3時間走らせたところにある1Kのアパートは、家具などの“モノ”は少ない代わりに“生活ゴミ”が部屋の大部分を占めていた。玄関を開けるとすぐに足でゴミをかき分けていかないことには、中に入ることができない。
空のペットボトルと、口が結ばれた小さめのレジ袋が目立つ。そのレジ袋の中にはコンビニ弁当の容器が入っており、1食ごとにまとめてはいるものの捨てることができずに、部屋の隅に投げていたのだろう。バスルームを開けると湯船まで空のペットボトルで埋まっていた。シャンプーや石鹸の類のゴミはないようだ。
「これくらいの量であれば、自分で片付けられるという気持ちがありました。でも、この生活に慣れてしまっている自分もいて。居心地がいいってわけではないんですけど、楽というか。誰にも見られないですし。それが続いて、気付いたときには『どうしよう、どうしよう』となっていました」
今回の部屋の間取り(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
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