国連が採択した持続可能な開発目標(SDGs)を体感しながら学んでもらおうと、高崎商科大(群馬県高崎市)の学生らがカードゲーム「SDGsグリーン消費ゲーム」を制作した。環境に配慮し、ごみをできるだけ少なくする買い物や消費を考えるゲームで、SDGsをテーマにした第三弾。指導した前田拓生教授は「SDGsの考え方を体験できる。学校や官公庁、民間団体などに広めていきたい」と意気込む。(石井宏昌)
消費ゲームは食材と耐久財の二種類の素材カードを購入し、いかにごみを出さないで商品を所有するかを競う。故障や腐食などのイベントが発生するカードもある。食材は利用せずに一定の期限を過ぎるとごみに。家具や家電など耐久財は分別可と不可があり、不可は故障などのイベントでごみになる。商品の満足度や人気度、定価などを考慮しながら、ごみを出さない消費を考える。
前田教授のゼミと起業を学ぶ「起業塾」の学生計十人が開発に取り組んだ。市内の廃棄物リサイクル業「群成舎」が協力し、ごみの現状や減量などについて議論を重ねた。分別によるリサイクルや不用品をオークションに出品するリユースもゲームに取り入れた。
同大は二〇二一年、住み続けられるまちづくりを考える「SDGsスーパーシティゲーム」を早稲田大やコンサルタント会社「インスプレース」(東京都)と制作し、改訂版を同社から二二年三月に発売。同時期にジェンダー平等を中心に働きがいと幸福度を高める経営を考える「SDGsジェンダー平等経営ゲーム」を作った。
消費ゲームは同年十一月に試作品が完成し、十二月と今月に学内で体験会を開いた。学生からは「楽しみながらSDGsについて学ぶことができた」「どうしたらごみを減らせるか、みんなと考えるのでコミュニケーション能力も向上する」などと好評を得たという。
今後は学内のSDGs教育や、制作に携わった学生によるイベントでの活用を進める考えだ。
群成舎と増版に向けても調整中で、前田教授は「社員研修での利用や関係企業へ配布したいという意向を聞いている。SDGsの概念は知っていても日常生活で何をしたら良いのか見えにくい。ゲームがそのヒントになれば」と期待する。
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