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Thursday, September 15, 2022

高齢化で急増の大人用紙おむつ、処理ルールの指針策定へ…ごみ減量・リサイクル促進図る - 読売新聞オンライン

 高齢化で急増している大人用の紙おむつについて、国土交通省は洗浄して処理するルールなどを盛り込んだガイドライン(指針)を今年度中に策定する。専用の処理装置で、汚物や水分を分離して下水道に流し、ごみの減量やリサイクルの促進につなげるねらいだ。環境省はすでに再利用を促す自治体向けの指針を策定しており、紙おむつのごみ対策の加速が期待される。

 介護が必要な高齢者の増加に伴い、大人用紙おむつの需要は増えている。日本衛生材料工業連合会の推計では、2015年の利用者は322万人だが、30年には468万人に拡大する。

 需要拡大で使用済み紙おむつのごみも増加している。環境省の指針によると、子ども用を含むごみの量は15年度に200万トン前後で、一般廃棄物の5%程度を占めるが、30年度には250万トン前後、一般廃棄物の7%程度に増加すると推計されている。

 リサイクルやごみの減量が課題になっており、メーカーや自治体を中心に、固形燃料や建築資材などに再利用する技術の開発や、分別回収の仕組み作りが進められている。

 大人用の紙おむつを大量に使用する特別養護老人ホームなどの介護施設では、使用済み製品をバケツなどに入れ、汚物処理室に保管するのが一般的だ。一定量たまってから事業系一般廃棄物(可燃ごみ)として収集、処理される場合が多い。

 ところが、使用済みのおむつは、水分を含むと重さが約4倍にもなる。運搬は重労働で、保管や運搬の際のにおいや、衛生面の問題が指摘されている。また、水分を含んでいるため燃えにくく、焼却炉に負荷がかかる。

 こうした課題の解消に向け、国交省は有識者による検討会を設置。汚物を吸収した紙おむつを、洗濯機のような処理装置に入れて洗浄し、汚物を分離させて下水道に流して、製品部分を脱水して回収する方法などを検討している。

 においや重量の問題が軽減されれば、リサイクル促進へ向けた環境整備が進む期待がある。

 すでに一部の介護施設で実証実験を行っており、下水道の水質への影響のほか、においの抑制やごみの圧縮効果、介護職員の負担軽減の効果などを検証している。

 国交省は実験結果を踏まえ、処理装置の性能基準などを定めた指針を今年度中に策定し、処理装置などの普及を促す方針だ。

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