「半田市で、市指定のごみ袋が購入できなくなっている。市では指定袋以外では回収してもらえない。袋が買えず、ごみを出すことができない」との指摘が、半田市清城町の栗本豊さん(70)から寄せられた。取材してみると、袋を販売する店では在庫がなくなり、棚が空のケースも。なぜ袋がなくなっているのか、真相に迫った。 (高田みのり)
品薄状態が続くのは、半田市の指定ごみ袋のうち、可燃用と資源用のいずれも大(四十五リットル)と小サイズ(三十リットル)。不足の背景には、新型コロナウイルスの感染拡大があるという。市環境課の職員は「製造元である大分市の工場が、従業員の感染や感染疑いのため稼働を一時停止せざるを得なくなるなど、生産能力が低下したことが原因」と説明。特に昨夏の第五波が大きく影響したという。
工場の再開後も、稼働停止中の受注分を作っている間に、また次の注文がやって来る…。工場の慢性的な人手不足もあり、発注に対して生産が追いつかなくなった。半田市は以前から、通常時の売り上げ枚数の二カ月分を備蓄してきたが、不足を補うために全て放出。今年三月中旬からは、小売店への引き渡しも間に合わなくなった。さらに、納品に時間がかかるため店側からの注文量や頻度が増加。工場への発注が“渋滞”する悪循環となっている。
実際の納入数を見ても、第五波後の昨秋から不安定な状況が続く。可燃、不燃など全種の合計ではあるものの、昨年九月は千二百六十五箱(計五十万六千ロール)だったのが、十月には百九十箱(計七万六千ロール)まで落ち込んだ。今年四月には千四百五十箱(計五十八万ロール)が入ったが、昨秋以来、発注に対する納入率は平均約62%にとどまる。通常なら一カ月の売り上げが約千八百箱というから、今の供給では需要を満たせていないことが分かる。
市民からも「ごみ袋がない」「別の袋で出してもよいか」との問い合わせが増えたため、市はホームページを連日更新し、ごみ袋を直近で納品した店舗を掲載。電話での問い合わせにも応じ、対応に奔走してきた。
さらに、品薄解消のため、製造工場を海外にも確保する方針を決めた。環境課によると、大分の工場での資源用のごみ袋製造を中止し、アジア圏の海外工場へ発注。大分の工場は可燃ごみ袋のみの製造とし、生産能力を可燃袋に集中させてもらう計画だ。海外製造のごみ袋は発注から納品まで約三カ月を見込むといい、担当者は「資源ごみ袋がドンと入ってくる段階で、可燃ごみ袋も十分に提供できるような体制を整えたい」と話す。
さらに「納品状況があまりに改善しなければ、代替袋の利用も検討している」と説明し、「市民の方には買い占めを控えていただきながら、なるべく早く供給を元に戻すべく対応したい」と話した。
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