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Saturday, September 5, 2020

社説:プラごみ一括回収 再生と共に削減目指せ - 秋田魁新報

 プラスチックによる環境汚染を防ごうと、政府は家庭から出る多様なプラスチックごみ(プラごみ)を「プラスチック資源」として一括回収する新制度案をまとめた。従来、分別回収の対象は食品包装用のビニール袋やトレー、ペットボトルなどに限定していたが、対象を広げることでプラごみのリサイクル(再生)を促進する狙いという。

 日本は世界有数のプラスチック消費国で年間約900万トンのプラごみが発生している。うちリサイクルされているのはごく一部にすぎない。対象拡大に向け負担が増す自治体を支援し、リサイクル施設を増やすなど対策を急がなければならない。

 新制度づくりは環境省と経済産業省が合同で取り組む。2022年度以降の開始を目指す。

 従来は容器包装リサイクル法により、容器や包装用プラ製品のリサイクルが進められてきた。法の対象外であるおもちゃや洗面器などの扱いは地域によってまちまち。焼却されたり埋め立てられたりしていた。新制度はこれらのリサイクルにも着手する試みとして注目される。

 ただし、プラごみのリサイクルには選別や洗浄が必要だ。そのためのコストがかかることなどから、現状では実際にリサイクルされているのは2割ほどにとどまる。6割超は焼却され、発電に使われるなどしている。

 国内で処理し切れないプラごみの一部はリサイクル資源として輸出されてきた。最大の受け入れ国だった中国が18年に輸入を禁止。日本国内に滞留するプラごみ処理が課題となっている。

 こうした状況が改善されないまま一括回収を進めても、リサイクルに回る量がどれだけ増えるか疑問だ。プラごみを国内でリサイクルするための仕組みづくりや、施設の増設を進めることなどが欠かせない。

 一括回収されたプラごみが焼却に回された場合、二酸化炭素(CO2)の排出量の増加につながる。CO2は地球温暖化の原因とされ、国際的に削減が求められている。

 また、処理し切れない大量のプラごみが海洋に流出し、微少なマイクロプラスチックとなって世界の海を汚染していることも見逃せない。日本はプラスチックを大量に生産、消費する国として温暖化や海洋汚染の問題解決のため重大な責任があることを忘れてはならない。

 ごみ問題の解決に重要だとされるのは「リデュース(削減)、リユース(再利用)、リサイクル」の三つ。最も根本的な対策は「削減」だ。今年7月に始まったレジ袋有料化はその一歩だが、プラごみ全体の数%にすぎない。リサイクルの拡大だけでなく、プラごみそのものの一層の削減策が求められる。

 国、企業、消費者が力を合わせて取り組むことが必要だ。一括回収の制度づくりを、企業と消費者がプラスチック依存の暮らしを見直す契機としたい。

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