
原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場をどこに造るか。選定作業の入り口となる文献調査に、北海道寿都町が応募に向けた検討を始めた。
核のごみの持ち込みには住民の強い反発が予想される。事実上拒否する北海道の条例もある。過去には、2007年に高知県東洋町が手を挙げ、住民の反対運動で撤回した例がある。
寿都町は、調査を受け入れると2年間で最大20億円の交付金が支給されることを、応募理由に挙げた。今後の人口減少と財政悪化を見据えた対応としている。町長は「反対意見は覚悟している」と話す。ただ、地元以外の反対に耳を貸すつもりはないという。
持ち込まれるようになれば周辺市町村も無関係ではない。寿都町の検討に反対を決めた自治体もある。東洋町の時のように、財政事情を背景に行政が検討に踏み出しても、一帯の住民が反対する構図が繰り返される可能性は高い。
処分場の選定手続きを定めた法律ができたのは2000年。調査を受け入れる自治体は現れず、国は17年、処分の適地を示す「科学的特性マップ」を公表して全国で説明会を重ねてきた。
マップで適地とされた自治体の間では、北海道のように処分場の建設を事実上拒否する条例を制定する動きも広がった。
生み出してしまった以上、核のごみは、最終的にはどこかに処分しなくてはならない。海外に押し付けるわけにもいかない。
議論を前に進めるには、まず原発政策そのものを見直していくことが必要ではないか。
核のごみは、極めて強い放射線を長期間にわたって出し続ける。ガラスと混ぜて固め、金属容器に入れて地下300メートルより深くに数万年以上埋めておく計画だ。
原発は、事故が起きれば甚大な被害をもたらし、事故がなかったとしても人類社会全体の歴史をも超えて残るような厄介なごみを出し続ける。将来も活用し続けるわけにはいかない。
国は原発からの撤退を決断し、処分が必要になるごみの全体量を確定した上で、その方法について改めて国民に問うべきだ。
根本問題と向き合わず、交付金を使って過疎に悩む自治体を誘導し、受け入れへの既成事実を積み重ねていく。そんな手法がいつまでも通用するとは思えない。
(8月22日)
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August 21, 2020 at 05:13PM
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社説 核のごみ処分場 根本を見直すことから - 信濃毎日新聞
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