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Tuesday, July 28, 2020

プラスチックごみを減らせ! - NHK NEWS WEB

プラスチックごみを減らせ!

7月1日からレジ袋の有料化が始まりました。プラスチックごみの削減につなげようという制度です。そんなテーマに関する画像をご覧ください。

海底に沈むごみ

相模湾の水深1300メートルほどの海底です。魚の奥に見える白いもの、何だかわかりますか?クラゲのように見えますが、実はレジ袋なんです!
プラスチックごみについて、中学校の入試問題を一緒に見ていきましょう。

問題
「プラスチックごみについての説明として、正しいものを3つ選び、記号で答えなさい」
ア 使い捨てのプラスチック製ストローを廃止する方針を打ち出した飲食店チェーンがあり、廃止の動きは世界的に加速している。
イ 2018年のG7サミットでは、海のプラスチックごみ削減を盛り込んだ「海洋プラスチック憲章」にすべての参加国が署名した。
ウ 中国は、日本や米国、欧州などからプラスチックごみを資源ごみとして輸入していた。
エ 海に流れたプラスチックの多くは、波や紫外線で砕け5ミリ以下に小さくなり、その後、短時間で溶けてなくなる。
オ 魚がプラスチックごみを飲み込むと、食物連鎖により人体に悪影響を与える可能性が指摘されている。
カ 一人当たりのプラスチックごみ排出量で、日本は世界の国々の中で下位である。
(女子学院中学校 2019年)

プラスチックごみ削減の動き

選択肢は6つ、1つめのアからみてみましょう。
「使い捨てのプラスチック製ストローを廃止する方針を打ち出した飲食店チェーンがあり、廃止の動きは世界的に加速している」
これは正しいでしょうか。

プラスチック製のストローについては、おととし、2018年にアメリカの大手コーヒーチェーンが、全面廃止の方針を発表しました。国内でも大手外食チェーンが廃止し、トウモロコシが原料のものに切り替えました。ということで、選択肢のアは正しい内容です。

つづいて選択肢イ。
「2018年のG7サミットでは、海のプラスチックごみ削減を盛り込んだ『海洋プラスチック憲章』にすべての参加国が署名した」
「海洋プラスチック憲章」は、2018年にカナダで開かれたG7で承認されています。しかし、使い捨てプラスチックの大幅削減やリサイクルの数値目標などを掲げた内容だったため、日本とアメリカは産業界との調整がつかないなどとして署名しませんでした。なので、選択肢イは誤りです。

選択肢のウはどうでしょう。
「中国は、日本や米国、欧州などからプラスチックごみを資源ごみとして輸入していた」
中国は、2017年末まで各国から資源ごみとしてプラスチックごみを輸入していました。選択肢ウは、正しい内容です。しかし、現在は、環境汚染を理由に輸入を禁止しています。

関心高まる海洋プラスチックごみ

プラスチックは1950年ごろから生産が始まりました。近年、環境問題として関心が高まっているのが、海洋プラスチックごみです。海の中にはどれぐらいの量のプラスチックがあるのでしょうか。
海洋研究開発機構の研究員、中嶋亮太さんに聞きました。

中嶋さん
「今まで全部、1950年から2016年までに作られたプラスチックは、83億トンあります。例えば、かかと、くるぶしくらいの厚さまで敷き詰めたらアルゼンチンの面積になります。控えめに言って、そのうち1.8%が漏れたとしたら、1億5000万トンくらいが海にあるんじゃないかと言われています」

海に流れたプラスチックはどうなる?

選択肢のエ。
「海に流れたプラスチックの多くは、波や紫外線で砕け5ミリ以下に小さくなり、その後、短時間で溶けてなくなる」
これは正しいでしょうか。

中嶋さん
「プラスチックは非常に安定した丈夫な構造をしていますので、自然界で分解するというのは、例えば分子のレベルまでだとしても、数千年とか1万年かかかるはずです。ですから溶けてなくなるというのはないです。そのままプラスチックとしてずっと海に残っています」

ということで、この選択肢エは誤りです。海面近くで見つかるプラスチックは全体の1%以下で残りの99%はどこに、どれだけあるのか、わかっていないということです。

海底に漂うプラスチックごみ

日本の海洋研究開発機構が去年、房総半島沖の深海を調査したところ、海の中にあるゴミの実態がわかってきました。

水深6000メートルの海で見つかったのは、歯磨き粉のチューブ。そしてハンバークの袋には、製造昭和59年という文字がありました。30年以上前のプラスチックごみが原型を残しているんです。

過去の調査では、最初に見たレジ袋も見つかっています。

中嶋さん
「かなり衝撃というか、怖かったですね、こんなにたくさんレジ袋があるんだと。深海って真っ暗なので、暗い海底で泥が見えてそこに白いものが突然不気味に浮かび上がってくるので、見てみるとレジ袋、ということがよくありました」

マイクロプラスチックの影響

プラスチックは、熱で、もろくなったり波の力で砕けたりして小さくなります。5ミリより小さいものは、マイクロプラスチックと言われています。
では、選択肢のオ、「魚がプラスチックを飲み込むと食物連鎖により人体に悪影響を与える可能性が指摘されている」は、どうでしょうか。

中嶋さん
「プラスチックは、ちょっと油っこい有機性の汚染物質をスポンジのように吸着すると言われています。汚染物質を吸着したマイクロプラスチックを魚が食べてそれが脂肪に蓄積されて、さらにその生き物を食べて、さらにその毒物が体に濃縮されていく、ということも言われています」

食物連鎖の影響が指摘されているんですね。

日本のプラスチック排出量は?

最後に選択肢のカを確認してみましょう。
「一人当たりのプラスチックごみ排出量は、日本は世界の国々の中で下位である」
UNEP=国連環境計画によりますと、プラスチックごみの排出量で日本は、アメリカに次いで2位なので、選択肢カは誤りとなります。

ということで問題の正解は選択肢のア、ウ、オとなります。

これまでを見直す必要も

中嶋さんは、レジ袋やストローの削減は最初の一歩だと言います。

中嶋さん
「減らせる物から減らす。とにかく、使い捨てプラスチックが一番の問題なんです。これを減らすに限るわけです。海に入っているプラスチックのほとんどが使い捨てプラスチックです。試しに小学生の方だったら1週間自分が出した、あるいは家族が出したプラスチックごみを全部捨てないで洗ってとっておくと、これだけ1週間に出すんだ、ということを目の当たりにすると思います」

ごみとして捨てて自分の目の前から消えても、なくなるわけではなく、誰かがそれを引き受けたり、海を長い間、漂い続けたりしているわけです。これまでの生活スタイル、そして意識を見直す必要があるのかもしれません。

「週刊まるわかりニュース」(土曜日午前9時放送)の「ミガケ、好奇心!」では、毎週、入学試験で出された時事問題などを題材にニュースを掘り下げます。
「なぜ?」、実は知りたい「そもそも」を、鎌倉キャスターと考えていきましょう!。

コーナーのホームページでは、4月放送の第1回からすべての回のおさらいもできます。ぜひご覧ください!

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July 28, 2020 at 10:28PM
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