陸上から近づきにくい海岸や離島に貨物船を巡回させて漂着ごみを回収する技術検証が、宇和島市
瀬戸内オーシャンズXは、愛媛、香川、広島、岡山の4県などが、2020年12月に協定を結んでスタート。25年までに瀬戸内海への新たなごみ流入を70%減らし、回収量を10%以上増やすことを目標に掲げ、さまざまな活動に取り組んでいる。
愛媛県は21年度の調査で、入り組んだ海岸線や離島が多い南予地域では、陸からは近寄れない海岸563か所にごみの漂着を確認し、流木などを含む総量は軽トラック約3万2000台分と推定した。
この試算を受け、今回、宇和海沿岸の漂着ごみの効率的な回収モデル構築のために技術検証が実施された。
切り立ったリアス海岸に点在する浜辺では、陸上からのごみ回収は難しいため、神戸市の船舶会社が所有する貨物船(310トン)をタグボートで押して接岸させる方法を導入した。貨物船は、フェリーのようなランプウェー(傾斜路)が備わり、陸地とを橋渡しして運搬車や人を上陸させることができる。
7日に行われた検証は、蒋淵地区にある小池浜で実施。貨物船が浜に着き、中村知事も漁業関係者や専門業者、ボランティアらとともに漁業用のブイやプラスチックごみなどを拾い集めた。中村知事は「ごみの多さに驚いた。計画的に撤去するほか、ごみの発生元を抑えないと根本的な解決にはならない。漂着ごみに関連する国の補助制度は手薄なので、拡大を求めていきたい」と述べた。
海岸に集めたごみは、運搬車で貨物船内へ運ばれた。船の甲板には、宇和島市のごみ収集車や、大きな発泡スチロールを粉砕、圧縮する機械などが置かれ、その場でごみの容積を減らして運搬する検証も行われた。
回収したプラスチックごみは約5・8トン。ペットボトルなどの生活系ごみが約4・8トンと大半を占めた。
ボランティアで参加した同市の郵便局員細川優之介さん(21)は「いろんなごみが絡まっていて分別するのが難しかった。小さなものが積み重なるとこんなことになるので、ごみを野外に捨てないようにすることが大事だと感じた」と話した。
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