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Saturday, November 25, 2023

北海道神恵内村で「核ごみ」シンポ 地層処分選定に「無理がある」、地層専門家が提言 - 産経ニュース

60人近い地域住民が出席した文献調査シンポジウム=25日午後、北海道神恵内村(坂本隆浩撮影)

原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物(いわゆる核のごみ)の最終処分地選定に向けた文献調査が行われている北海道神恵内(かもえない)村で25日、同調査などをテーマにしたシンポジウムが開かれた。同村と北海道寿都(すっつ)町で進んでいる最終処分地選定にかかる第1段階「文献調査」の概要説明とともに、地層の専門家による講演などが行われた。

昨年5月に続く2度目の地域住民向けシンポジウム。神恵内村と原子力発電環境整備機構(NUMO)でつくる「対話の場」の求めに応じて企画された。悪天候にもかかわらず60人近い村民が参加した。

講演では、北海道教育大の岡本聡名誉教授が文献調査が進む同村周辺エリアについて、地層や活断層の有無などの研究結果を示しながら「地質が脆弱(ぜいじゃく)な箇所もあれば岩盤が固い箇所もある」と指摘。核のごみを地層処分するための選定作業で「工学的な知識を総動員して適地を探ることは無理がある」などと地質学者の立場で課題を提起した。

また、放射性廃棄物が安全なレベルになるまでに10万年かかるとする専門家の研究発表も示し、地下で保管した場合に起きうる地質変動などのリスクを考慮し「最初の200年間は目に見えるようにあえて地上で保管して様子を見る。その上で残る10万年をどうするのか調査すべきでは」と訴えた。

NUMOの兵頭英明技術部長は「諸外国では地層処分が進んでおり、日本だけが進んでいないと次の世代が困ることになる」などと地層処分が解決策の前提であることを強調。文献調査で明らかになった候補地に適さないエリアを確認しながら作業を進めていく考えを示した。

高橋昌幸村長はシンポジウム終了後、「それぞれの立場で意見を述べることが一番大事。これからも賛否に関わらない形で皆さんに意見を聞きながら理解を深めていければと思う」と感想を述べた。

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