天井まで積み上がったモノやゴミをかき分けながら部屋の中を移動する、今回の依頼主(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
「ゴミ屋敷」――。近隣住民にとっては確かに迷惑な問題だが、そこに住む当事者はさらに深く思い悩んでいるかもしれない。大阪府内にある古いアパートの一室に10年分のゴミを溜め込んでいた男性もまた、自らの部屋の状況に悩んでいた。そのゴミの総重量は4トン。じつにオスのアジアゾウ1頭分の重さだった。
本連載では、さまざまな事情を抱え「ゴミ屋敷」となってしまった家に暮らす人たちの“孤独”と、片付けの先に見いだした“希望”に焦点をあてる。
アパート解体のため退去を命じられ…
大阪府内にある木造モルタルアパート。2階の部屋のドアを開けると、乱雑に置かれたダンボールで玄関からすでに足の踏み場がない。家の中に入ろうとするも、身体を横にしないことにはゴミの間をすり抜けられない。山を登るように奥の部屋に進むと、大量のダンボールに雑誌、新聞、本などの紙類が天井近くの高さまで積み上げられていた。ほかの部屋を見てみても、やはり紙類がゴミの大半を占めている。
依頼主はこの部屋で1人暮らしをしている40代の男性だ。住み始めたのは10年前。荷物が多いために契約していた倉庫が、入居後しばらくして潰れてしまった。倉庫にあったモノたちを部屋に搬入すると、すぐに今のような状況になった。なぜ、このタイミングで片付けることになったのか。男性が話す。
「建物取り壊しのために退去するよう指示がありまして、期日までゴミを外に出さなければいけなくなったんです。自分でやってみようと手はつけたんですが、散らかるばかりで、人の手を借りないといけない状況になってしまいました」
玄関を入ってすぐの居間と台所。移動するのもひと苦労だ(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
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