戸田拓
愛媛県が実施した海洋ごみ調査事業で、海と陸が入り組んだリアス式海岸が続く南予地方にごみが多く分布していることが明らかになった。
県は昨年度、漂着するごみの実態を把握するため、県内全ての海岸線約1700キロを航空写真で撮影した。4663枚の画像を分析した結果に、航空写真から見えない大きさのごみも推計して加算。なぎさ10メートルあたりのごみの量を基準に、県内の海岸線を5段階で評価したところ、地方別では東予や中予よりも南予の海岸にごみ量が多い地点が地図上に分布していた。
これとは別に、県内の海岸と海域各4カ所で漂着・漂流していたプラスチックごみの種類などを分類する実態調査も実施。なぎさに漂着したごみの平均重量や容積は、南予の調査地点では東・中予の2・5倍に上ったという。
漂流ごみも各地で同じ条件で船から網ですくって調査すると、南予の宇和海中部で最も多く見つかった。ごみの内訳では発泡スチロールが半数を占めた。海中のマイクロプラスチックの個数も、宇和海中部が最も多かったという。
調査した県循環型社会推進課は「陸地のごみも川を通って海に流出している。調査結果を基に、ごみの適正処理やプラスチックの使用を減らす啓発活動をしたい」としている。
2019年6月のG20大阪サミットでは、日本が提案した、50年までにプラスチックごみによる新たな海洋汚染ゼロを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が各国首脳に共有された。それに基づき県では20年度から様々な手法で海洋ごみを調査している。(戸田拓)
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