原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物いわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定をめぐって対馬市商工会は市議会に対して、第1段階の調査にあたる「文献調査」の受け入れについて議論を求める請願書を提出するかどうか、来月、臨時の理事会を開いて決定する方針を決めました。
「核のごみ」の最終処分場について、国は調査対象になる可能性がある地域を示した全国地図「科学的特性マップ」を公表していて、対馬市は処分場として「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い地域」に含まれています。
国は20年程度かけて3段階の調査を行って選定を進める計画で、24日、対馬市で開かれた対馬市商工会の理事会ではこのうちの第1段階にあたる「文献調査」の受け入れをめぐって協議が行われました。
協議は非公開で行われ、商工会によりますと市議会で「文献調査」の受け入れについての議論を求める請願書を提出するかどうか、来月19日に臨時の理事会を開いて決定する方針を決めたということです。
また、それまでの間に商工会のメンバー120人に対して請願書の提出に同意するかどうかのアンケート調査や説明会を開いて、意見の聞き取りなどを行う予定だということです。
対馬市商工会の山本博己会長は「コロナ禍で経済が疲弊するなかで、まちを活性化する手段になる可能性があると思い、議論している。会員の意見を踏まえ、結論を出したい」と話していました。
「核のごみ」をめぐっては、対馬市ではこれまでにも一部の住民や議員らが処分場を誘致しようとする動きがありました。
しかし、平成19年、市議会で誘致に反対する決議が可決されました。
決議文では「誘致をめぐって市民を2分する深刻な状況になることが懸念される」とした上で、「毒性がなくなるまでの長い間に何が起こるかは科学者にも証明できない」として、処分場の安全性に疑問を投げかけています。
そして「風評被害でどれだけの損害が出るか計り知れない」として誘致反対を表明しました。
市によりますとそれ以降は市議会や行政では最終処分場の誘致を巡って表だった議論は行われていないということです。
全国では2か所で「文献調査」が行われています。
いずれも北海道の寿都町と神恵内村で3年前から始まっています。
しかし、その後は調査地域が増えず、去年の関係閣僚会議では政府として、調査地域の拡大を目指すとしました。
具体的には、関心を持つ地域の議会や商工団体などに説明会の開催を働きかけるなどした上で、国から自治体に調査を申し入れるといった段階的な取り組みを進めるとしています。
からの記事と詳細 ( 対馬市商工会が「核のごみ」文献調査請願を臨時理事会で決定へ|NHK 長崎県のニュース - nhk.or.jp )
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