原生の自然(しぜん)が残されている南極(なんきょく)で人が生活するためには、環境(かんきょう)に配慮(はいりょ)して行動していかなければなりません。
今回は、南極地域観測隊(ちいきかんそくたい)の中で、環境を守る仕事をしている環境保全(ほぜん)担当(たんとう)の金重真実(かねしげまさみ)隊員(たいいん)と、人が生活する上で欠かせない調理を担当する香月雅司(かつきまさし)隊員を紹介します。
観測隊の活動は、南極条約(じょうやく)できびしく制限(せいげん)されています。ごみもきちんと分別(ぶんべつ)し、昭和基地(きち)内の焼却炉棟(しょうきゃくろとう)で燃(も)やせるものは燃やして小さくして、ドラム缶(かん)に入れて南極観測船「しらせ」で持ち帰ります。人が出したごみはすべて持ち帰ることになっています。
また、環境保全の隊員の大切な仕事として、水をきれいにする仕事があります。条約でどのくらいまできれいにするかの水質基準(すいしつきじゅん)というものが決められているので、トイレや台所で出た廃水(はいすい)は、汚水処理装置(おすいしょりそうち)を使ってきれいにしてから海に放流しています。
観測隊員の胃袋(いぶくろ)を支えているのが調理隊員です。
調理隊員は、日本から1年に1度、「しらせ」で持ってきたおよそ34トンもの食材(しょくざい)を使って毎日のご飯(はん)を作っています。また、南極で日本と違った生活習慣(しゅうかん)になる中でも曜日の感覚(かんかく)がなくならないようにするために、毎週金曜日を「カレーの日」にしています。
南極では食材がなくなってもすぐにスーパーに買いに行けるわけではありません。そのため、すべての食材を冷凍(れいとう)して南極に持ってきているのです。調理隊員は、貴重(きちょう)な食材をむだにしないために、むだを出さない調理も心がけているそうです。
たとえば、カレーはいろいろな食材と相性(あいしょう)が良(よ)いので、前日の魚の煮(に)つけの残(のこ)り汁(じる)を使ってカレーのだしをとったり、あまった食材を具に用いたりしているそうです。
昭和基地では、環境保全の隊員がごみや廃水をきれいにしたり、調理隊員がむだを出さない調理をしたりして、観測隊が南極を必要以上に汚(よご)すことなく活動することができるようにしているのです。
からの記事と詳細 ( 渡辺先生の南極授業<8>自然環境汚さず活動 ごみ処理、調理で工夫【動画】|下野新聞 SOON - 下野新聞 )
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