国土交通省天竜川上流河川事務所は、2021年度に同事務所管内の天竜川のパトロールで確認した不法投棄物の件数を公表した。パトロールは天竜川本流と支流の一部範囲で実施。前年同数の98件のごみが見つかり、家庭ごみが約6割を占めた。件数を地図に落とした「天竜川上流ゴミマップ」を公式ホームページで公表し、不法投棄防止を呼び掛けている。
確認件数の出張所別の内訳は伊那(辰野町昭和橋~伊那市殿島橋)65件、駒ケ根(殿島橋~下伊那郡高森町万年橋)18件、飯田(万年橋~飯田市姑射橋)15件。伊那市内で多く確認された。同事務所は推測できる要因として、本流沿いを通行量の多い国道が走っている点を挙げた。
種類別割合を見ると、家庭ごみ58%、粗大ごみ24%、産業廃棄物・農業廃棄物15%、その他3%だった。家庭ごみが半数を超え、空き缶や空容器、レジ袋などが目立ち、花火やバーベキューを行ったごみをそのまま放置したとみられる事例もあった。粗大ごみは、処分費用の負担を避けるために捨てたと思われる自転車や家具などが多い。
ごみの処分費用には税金が当てられる。今回の98件の処分には30万円程度を費やした。
河川パトロールの実施頻度は週1回。ゴミマップは09年度から不定期で作成し、今回のマップには種類別割合を示す円グラフやごみの写真も掲載する。今後は、同事務所管内の自治体などが参加する天竜川上流河川愛護連絡会でマップを紹介し、自治体関係者に協力を仰ぐなど不法投棄防止の啓発にさらに役立てる。
同事務所は、同じ人物が同じ場所に複数回捨てている可能性も指摘。不法投棄による生態系の破壊、飲み水や農業用水の安全性へ影響を及ぼす可能性も高いとし、ごみを確認した際は警察に通報するなど、関係機関と連携して取り締まりに努めている。
同事務所管理課は「どれだけ取り組んでも、捨てる人が意識を変えてくれなければ不法投棄はなくならない。不法投棄は犯罪です」と訴えている。
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