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Tuesday, October 25, 2022

修学旅行にSDGsを 海洋プラごみ回収、製品化 - 八重山毎日オンライン

ペットボトルを回収する帝塚山学院泉ヶ丘高校の生徒ら。あまりの多さに驚いていた=23日午前、平野海岸

ペットボトルを回収する帝塚山学院泉ヶ丘高校の生徒ら。あまりの多さに驚いていた=23日午前、平野海岸

3社提携、循環型プログラム造成

 石垣市から漂着ペットボトルを買い取って繊維に加工している豊島㈱=名古屋市=と地元でビーチクリーンツアーなど環境保全事業を行っている合同会社縄文企画(田中秀典代表)=石垣市=、㈱日本旅行の3社が教育旅行に利用できるSDGsにつながる学びのプログラム「Tourism for Tomorrow~八重山ビーチクリーンプロジェクト~」を造成し、大阪府内の高校を22日から2日間受け入れた。新しい形の教育旅行として注目されそうだ。

 八重山諸島の海洋ごみ問題について▽事前学習▽現地でのごみ回収活動の実践▽回収したごみを繊維加工して製品化したものを学生の手に戻す―という循環型プログラム。昨年に企画されたが、新型コロナウイルスの影響で実施できず、今回初めて実現した。

 帝塚山学院泉ヶ丘高校が「豊かな自然や伝統文化が残る八重山諸島でSDGsについての見識を深め、自分事として考える意識を養う」ことを目的に2022年度沖縄研修旅行にプログラムを取り入れた。2年生325人が海洋プラスチックごみが海や生物に与える影響や回収ごみのその後を事前に学び、現地を訪れた。

 星野海岸や平野海岸で清掃活動を行い、回収したごみの分別の仕方について指導を受けた。水の入ったペットボトルに海浜の砂を入れ、どれくらいのマイクロプラスチックが含まれているか確認した。

 石垣島最北端の平野海岸。冬場の北風をまともに受け、漂着ごみが大量に漂着する海岸では「ごみのないところを探すのが大変だった」「ごみ袋がすぐいっぱいになった」とテレビで見る白浜のビーチと違う現実に驚いていた。

 回収されたペットボトルは、豊島が繊維加工してポーチに仕上げ、来年に修学旅行を迎える生徒に届けることになっている。

 活動を終え、旅行生の岡蒼馬さんは「沖縄の美しい海が汚されているようで怒りとともに悲しい気分になった」、今井娃美さんは「ほとんどが外国のものだが、日本のものもあった。周りの国と協力して解決しなければならない問題だと思った」、中嶋紗希さんは「一人一人が環境を守るという意識を持たなければならないと思った」とそれぞれ感想。

 豊島広報の佐藤菜津紀さんは「生徒たちは現実を知って夢中でごみを拾っていた。『ナイスクリーン』『ありがとう』と声を掛け合い、コミュニケーションも生まれていた。生徒たちの意識が変わっていくのを目の当たりできて良かった」と話し、田中代表は「今回のプログラムは先進的な取り組みだと思う。これからもっと増えてほしい」と期待した。

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