2022年08月01日13時52分
【ピントAFP=時事】スペインの首都マドリード近郊にある広大な埋め立て地で、数百羽のコウノトリがごみをあさっている。(写真はスペインの首都マドリード近郊ピントのごみ埋め立て地に群れるコウノトリ)
欧州のコウノトリは、冬になるとアフリカへ渡り、春になると戻ってくる。しかし、温暖化に加えて、ごみ埋め立て地で豊富な餌を見つけられることから、スペインで冬を越す個体が増えている。
マドリードから約30キロ南のピントにある埋め立て地には1日に200~300トンの生ごみが運ばれてくる。コウノトリは「新鮮なごみがある所」に素早く群がると埋め立て地の職員は話す。同じような光景はスペイン各地で見られ、多くのコウノトリが埋め立て地の近くに巣を作り、そこに一年中すむようになっている。
「ドン・キホーテ」の作者ミゲル・デ・セルバンテスの故郷アルカラデエナレスでも、街のシンボルにもなるほど増えたコウノトリが、鐘楼やアンテナに巣を作っている。
市当局の獣医師アルムデナ・ソリアーノ氏は、「約70%のコウノトリがアフリカに渡らなくなった」と推測する。
スペインとモロッコを隔てるジブラルタル海峡はわずか14キロだが、強風にあおられがちで、多くの渡り鳥が途中で死んでしまう。だが、スペインの埋め立て地で餌が見つかれば、渡りの危険を回避することができる。
「ここを渡ったことがあるコウノトリの成鳥は、同じ危険を繰り返したがらないのです」とソリアーノ氏。「餌を求めて移動するコウノトリにとって、ごみ埋め立て地は食べ放題のビュッフェのようなもの。もう帰る必要はないのです」【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕
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