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Wednesday, August 24, 2022

プラごみを価値あるものに 裁断・成型する機械自作、釜石の山田さん:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

 プラスチックごみの再生に一役買おうと、岩手県釜石市の一般社団法人「ユナイテッドグリーン」代表の山田周生さん(65)が、ペットボトルのキャップを溶かして小物を作る機械を自作し、学校での環境学習に生かしている。

 山田さんは、廃油を燃料にした車で世界一周をした経験があり、東日本大震災後は釜石市の中山間地に移住。菜の花を育てて種から油を取る活動を続け、「SDGs(国連の持続可能な開発目標)」の実現をめざしている。

 昨年、海の安全や環境保護に取り組むNGOから、プラごみの再生に協力してくれる企業が見つからず困っていると相談を受けた。「ならば自分でやってみよう」と、ごみを再生する機械の製作を考えた。

 鉄工所で溶接技術を習うことから開始。インターネット上に公開されている設計図をもとに部品を一つずつ買い集め、今年3月にキャップを細断する機械と、それを溶かして成型する機械を作り上げた。

 機械は普段自宅に置き、屋根のソーラーパネルで生み出した電気を使って動かす。細断した色とりどりのキャップを調合し、コースターやスマートフォンのスタンドを試作している。

 また、イベントに招かれて実演するほか、高校や中学の環境保護について学ぶ授業で披露するなど、依頼が次々舞い込んでいる。

 経済協力開発機構(本部・パリ)の報告書によると、世界のプラごみは2000年から約20年間で、2倍以上の3億5300万トンまで増えた一方、19年に再生されたのは9%にとどまるという。

 山田さんは今後、キャップの回収場所とともに機械や金型を増やし、食器や家具を製作できるようにしたい考えだ。「素人の私でもできるのだから、技術を持つ人や企業にも、この試みが広がってほしい」と願っている。東野真和

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