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Sunday, July 17, 2022

海洋プラごみ問題、スマホアプリがもたらした社会の変化とは 深刻なごみ問題の解決に取り組む小嶌不二夫氏インタビュー 前編(1/5) - JBpress

深刻なごみ問題の解決に取り組む小嶌不二夫氏インタビュー 前編

深刻な問題となっている海洋プラごみ(写真:Science Photo Library/アフロ)

※本記事はPublicLab(パブラボ)に掲載された「ごみ問題、ITと科学技術で解決を!〜マイクロプラ対策の旗手に聞く「データを活用した環境保全」〜」を再構成したものです。

小嶌不二夫 株式会社ピリカ代表取締役/一般社団法人ピリカ代表理事
聞き手 小田理恵子 Public dots & Company代表取締役/官民共創未来コンソーシアム代表理事

 今回ご紹介するのは、プラスチックごみが細かくなった「マイクロプラスチック」をはじめとする深刻なごみ問題の解決に取り組む「株式会社ピリカ」代表取締役の小嶌不二夫氏です。「科学技術の力であらゆる環境問題を克服する」というミッションに、ITとデータを活用しながら「数値に基づいたごみ問題の解決」を目指すピリカ社の具体的な活動内容や、自治体との連携事例などについて伺いました。

科学技術が生んだ環境問題を科学技術で解決する

小田 まずは会社の紹介をお願いします。

小嶌氏 ピリカは2011年に設立した会社で、「科学技術の力であらゆる環境問題を克服する」をミッションに活動しています。

 私は子どもの頃から科学が大好きでしたが、その科学が生み出した環境問題に心を痛めていました。環境問題は人類にとって最大の脅威です。それを同じ科学の力で克服したいと思い、これまで活動を続けてきました。

 環境問題と一口に言っても、その種類にはあらゆるものがあります。何から手を付けるのがよいかを確かめるため、私は大学院生時代に世界一周の旅に出たのですが、すべての国で目にしたのが「ごみのポイ捨て問題」でした。まずはこれを科学技術を使って低コストで解決できるようにすれば、世界的にインパクトがあるのではないかと感じ、帰国後に仲間と一緒にサービス開発を始めました。そうして生まれたのがごみ拾いSNS「ピリカ」です。

 スマートフォンで利用できるアプリで、日常的に行うごみ拾いについて、場所や拾った物、回収量などを投稿し、仲間同士でコミュニケーションを図ることができます。

 ユーザーが回収したごみの総重量も確認できるので、自分が行った社会貢献活動が可視化され、クリーンアップ活動のモチベーションが保てるようになっています。このアプリをきっかけに会社を設立し、現在は11期目に入りました。ごみのポイ捨て状況を画像解析で調査するサービス「タカノメ」や、マイクロプラの流出メカニズムや解決策を探るサービス「アルバトロス」なども提供しています。

小田 国際的には海洋プラ問題が、「持続可能な開発目標(SDGs)」のゴール14「海の豊かさを守ろう」と共に注目されています。

小嶌氏 ごみ問題は呼び方がいろいろあり、海洋プラもその一つです。どの呼称を使おうとも、要するにごみが自然界に流れ出ていく問題をどう解決するかが焦点になります。

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