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Thursday, June 16, 2022

みんなのごみ:意外なところからも マイクロプラ汚染「不都合な真実」への挑戦 - 毎日新聞 - 毎日新聞

河川調査で見つかった人工芝とみられる緑色のプラスチック片=東京都目黒区で2019年6月13日午後3時24分、鈴木理之撮影
河川調査で見つかった人工芝とみられる緑色のプラスチック片=東京都目黒区で2019年6月13日午後3時24分、鈴木理之撮影

 プラスチックごみ問題が深刻化する中、生態系への悪影響が特に懸念されているのが微細な「マイクロプラスチック(MP)」だ。廃棄物対策で世界のトップランナーを自任する日本だが、近年の調査で意外なプラ製品が汚染源になっていることが分かってきた。

海岸に転がる白いプラ片

 富山県射水(いみず)市の六渡寺(ろくどうじ)海岸に、直径3ミリ程度の小石のような白い物体が無数に転がっていた。

 「どこかから流れ着いた発泡スチロールの破片かな」。2019年、近くの河川調査をしていた環境ベンチャー「ピリカ」(本社・東京都渋谷区)の小嶌(こじま)不二夫社長(35)らメンバーが持ち帰って調べると、「コーティング(被膜)肥料」であることが分かった。

 日本肥料アンモニア協会によると、コーティング肥料は直径2、3ミリ程度。肥料がプラ製の「殻」に覆われていて、田んぼで使うと徐々に内部の肥料が溶け出す仕組みだ。射水市の海岸で見つかったものの中には、肥料が溶け出た後の殻も数多くあった。

 直径5ミリ以下の微細なプラは「マイクロプラスチック(MP)」と呼ばれる。コーティング肥料のようにもともと微細なものだけでなく、プラ製容器などが海や川に流出し、紫外線などによって細かくなったものも多い。

 米豪の研究チームが10年に発表した分析結果によると、海へのプラごみ流出量は中国やインドネシアなど東南アジアからが多かった。日本は途上国と比べて適切にごみを処理しており、MP流出量も少ないと考えられていた。

 ごみ問題に関心のあった小嶌さんは、京都大大学院時代の11年にピリカを起業し、16年に河川や港湾に含まれるMPの採取や分析の手法開発に着手。低コストで持ち運びしやすいMP回収機の開発・改良も進めた。

 18年、国内外の河川と湾岸でMP調査に着手。その結果、調査した38地点のうち37地点でMPを含むプラスチック片が確認された。このうち約23%は人工芝とみられる緑色の棒状のプラ片だった。

 20~21年には国内120地点に範囲を広げて調査、分析。調査地点の約9割でMPが見つかり、このうち人工芝とコーティング肥料が約4割を占めた。いずれも利用者が気づかないうちに環境中に出てしまったものだ。

 調査結果によると、…

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