Pages

Thursday, April 21, 2022

プラごみ削減進んでる? 歯ブラシ 竹製、ストローやスプーン 紙・木製に 中小は様子見、レジ袋有料化より動き鈍く 資源循環促進法施行 | 鹿児島のニュース - 南日本新聞

マリックスラインが採用した竹素材の歯ブラシ=鹿児島市城南町

マリックスラインが採用した竹素材の歯ブラシ=鹿児島市城南町

 プラスチックごみの排出削減を目指す「プラスチック資源循環促進法」が1日、施行された。対象業種の事業者にはフォークや歯ブラシなど12品目の提供を減らすよう求めており、鹿児島県内でも取り組みが始まっている。ただ、素材を変更するにはコストがかかる。扱う量が少ない事業者ならば、対策が不十分でも実質ペナルティーがないという事情もあり、様子見のところも少なくない。

 ホテルフロント横の棚に、ヘアブラシやかみそりが整然と並んでいた。チェックインした客が必要な分だけ手に取り、部屋へ持っていける。

 センチュリオンホテル鹿児島天文館(鹿児島市)は2月、アメニティーグッズ5種類の提供方法を各部屋への配置から変更した。法が求める削減策に、先駆けて取り組んだ。丸野和代支配人は「ビジネス客を中心に、普段使っている物の持ち込みが多くなった」と、プラ製品提供の減少を実感する。

 部屋配置のサービス維持のため、素材の切り替えも考えたが、コストが高いのがネック。「宿泊代に転嫁はできないので、この方式で様子を見たい」と話した。

 鹿児島と奄美、沖縄航路のマリックスライン(同市)は4月、特等と1等客室に置く歯ブラシの素材をプラスチックから竹に変更した。世界自然遺産の島々間を航行するだけに、旅客営業部の米森綾子さんは「良好な自然環境があってこそ乗っていただける。少しでも環境保全の取り組みを進めたかった」と狙いを説明する。

 小売りや飲食業も対応を急いでいる。イオン九州(福岡)は、鹿児島県内店を含む「イオン」「マックスバリュ」で、弁当や総菜購入時に渡すストローやスプーンを木製や紙製に順次切り替えている。奄美の里(鹿児島市)でも、館内レストランのストローを紙製に変更する。

 法では、著しく対策が不十分な場合には国が勧告や公表をしたり、罰金を科したりできる。ただし、対象はプラ製品の提供が年間5トン以上の事業者に限られる。このため、小売店が幅広く対象になった2020年のレジ袋有料化の時と比べて「削減に向けた機運が高まっていない」との声が聞かれる。

 食品容器を県内事業所に卸す鹿児島市の企業によると、容器素材をプラスチックから切り替える動きは乏しい。担当者は「排出が少ない中小の飲食店や宿泊業にとっては、レジ袋の時のような切迫感が少ない」と分析。円安やウクライナ情勢で輸入品のコスト上昇が続く状況もあり、「今後も動きは鈍いままではないか」と予想する。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( プラごみ削減進んでる? 歯ブラシ 竹製、ストローやスプーン 紙・木製に 中小は様子見、レジ袋有料化より動き鈍く 資源循環促進法施行 | 鹿児島のニュース - 南日本新聞 )
https://ift.tt/YOX62Wr

No comments:

Post a Comment