【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)欧州委員会は15日、欧州独自の人工衛星通信網の構築計画案を発表した。総事業費を60億ユーロ(約7880億円)と見込み、このうち24億ユーロを2027年までのEU予算から拠出する。運用を終えた人工衛星やロケットの残骸といった宇宙ごみ(スペースデブリ)の把握・追跡などの安全対策も打ち出した。
米中ロを中心に宇宙開発競争が激化する中、官民が利用可能な安全で信頼できる高速衛星通信網の自主確保を目指す。ブルトン欧州委員(域内市場担当)は記者会見で「欧州以外のシステムへの将来的な依存度を引き下げる」と強調した。
衛星による高速インターネットサービスの整備をめぐっては、米電気自動車(EV)大手テスラ創業者のイーロン・マスク氏率いるスペースXが「スターリンク」事業で先行。米ネット通販最大手アマゾン・ドット・コムも計画を進めている。欧州委は、サイバー攻撃などの懸念が増していることも踏まえ、量子暗号技術を用いた強固な通信システムの28年までの構築を目指す。
今後は2万基超の衛星打ち上げが見込まれるとも言われ、宇宙空間の過密化や宇宙ごみの危険性も深刻化している。同時に発表した「宇宙交通管理」政策では、衛星や宇宙ごみを把握・追跡する技術向上のほか、安全な宇宙活動のためのルール整備や国際連携を推進する。
【了】
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