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Tuesday, December 28, 2021

明るい都内でもきれいな天体が見える望遠鏡「eVscope eQuinox」|ガジェットレビュー2021 - Engadget日本版

Engadgetでは年末年始にかけて、おすすめのガジェットやサービスを紹介するベストバイ2021企画を展開しています。以降から、2021年に反響の多かったKeisuke Sunagareさんのレビュー記事を再掲してお届けします。

突然ですが皆さんは天体観測をしたことがありますか?

僕は2021年まで、小学校の宿題で出た星座を調べる的なやつを除いて、一度もしたことがありませでした。

高校生の時にBUMP OF CHICKENの『天体観測』に憧れたり、社会人に成り立ての時にアニメ『化物語』を見て「あれがデネブ・アルタイル・ベガ」をやりたいと思ったりしましたが、知識も無ければ、天体望遠鏡は高そうだし、何より都会は明るい、ということで全く縁がなかったんですよね。

そんな僕になぜか天体望遠鏡の貸し出し案内がきたんです。僕に扱えるはずがないと思ったので、もちろん断りました。

なのですが、「僕みたいな初心者でも扱えるし、都心のお家からでも天体観測できる」と言われたのでお借りすることに。

初心者でもすぐに感動できる「eVscope eQuinox」

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それがこちらのデジタル天体望遠鏡「eVscope eQuinox」です。

eVscope eQuinoxは一般的な天体望遠鏡と大きく違う特徴があります。なんと、天体を見るためのファインダーがありません。ではどうやって見るのかというと、スマホアプリ経由です。

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▲アプリで天体観測をしているところ
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▲上記のような形で画像を保存できます

eVscope eQuinoxとスマホをWi-Fi接続して、アプリ経由で天体観測をします。このアプリが初心者にも分かりやすい仕様となっており、使い勝手がいいだけでなく、映し出したものを画像として保存したり、シェアしたりもめちゃくちゃ簡単です。

さらに凄いのが、自動的に星を探してくれること。eVscope eQuinoxのアプリには「フィールド検出」というボタンがあり、それをタップすることで近くにある星をいい感じで探してくれます。

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ほかにも、銀河・星雲・星団・恒星・惑星などを自動で探してくれる機能も。気になる星団などをタップすると、そのものの説明もしてくれるので、まったく知識がない初心者にも優しく頼りになる仕様です。

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▲M10 球状星団の写真
M10の説明 M10は同じ塵雲で数十万以上の星が同時に集まって形成された、天の川銀河系内の球状星団です。地球からの距離はおよそ14000光年、直径は80光年(20分角、月の視直径の3分の2)。また、太陽系に最も近い球状星団の1つです。およそ20万個の星からなり、等級は6.4で、肉眼でも観測することができます。

上記動画は友人と3人で初めてeVscopeを使った時の様子です。自動で星を探してもらい、後述する「エンハンスト・ビジョンテクノロジー」で星をくっきりと映し出してもらった時のもの。

月並みな表現で申し訳ないのですが、リアルに「おおおぉぉぉ!」とか「すげーーー!」といった声が出るくらい感動します。

代々木公園や自宅で使ってみた

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eVscope eQuinoxは、光が多い都心部でも使えるのが特徴のひとつ。ということで、代々木公園と都心の自宅で使ってみました。

eVscope eQuinoxのセットアップは簡単です。

・三脚に本体を設置
・eVscope eQuinoxを軌道
・スマホとeVscope eQuinoxをWi-Fiで接続
・Unistellar アプリ(eVscopeのアプリ)を起動
・アプリでダークフレームを取得
・eVscope eQuinoxのキャップを外して
・アプリから天体を探す

ここまで10分~15分。ほかの天体望遠鏡を使ったことがないので比較はできませんが、初心者でも何ら困ることはなくセッティングできました。

天体を探すのも時間がかかりません。アプリで「フィールド検出」ボタンを押せばいい感じの場所を検知。そのあと、eVscope eQuinoxの目玉機能である「エンハンスト・ビジョン」を押せば、星雲や恒星がはっきりと見えるようになります。

エンハンストビジョンテクノロジー ソニーの超好感度センサーが捉えた光から空の明りを差し引いて、天体の光だけを蓄積して取り出す画像処理をする機能。リアルタイムで行っているので、どんどんノイズがなくなっていき、星雲や恒星がはっきりと見えるようになります。
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代々木公園に行ったときはあいにくの曇り空だったのですが、わずかな晴れ間から

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このような星たちを撮れました。

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また、この日は月が大きく綺麗だったので代々木公園の入口から月を見てみました。

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それがこちら。代々木公園の入口は見ての通りけっこう明るいのですが、これだけはっきりと月を映し出せたことの感動が凄く、お気に入りの1枚です。

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自宅のベランダでも天体観測をしてみました。自宅は大きな道路に面している場所にあり、深夜でも明るい場所なのですが、

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この通り、肉眼ではまったく見えない星たちを映し出してくれました。図鑑でしか見たことがないような天体を、ものの15分ほどで簡単に見られるのは思った以上に感動します。また、「方位」とか「高度」みたいな単語が出てきた時点で挫折しそうなレベルの初心者でも、お任せしておけば使いこなせるというのも魅力的です。

仕様面や技術面に関して

ここからは、なんとなく疑問に思いそうな部分をQ&A形式で説明していきます。

Q.どこ製のセンサーを使っているの?

A.ソニーの超高感度センサー「IMX224」を搭載しています。

Q.光学倍率は?

A.50倍固定。デジタル倍率は最大400倍。推奨は最大150倍。焦点距離は450mmです。

Q.バッテリー時間は?

A.約12時間です。

Q.重さは?

A.約9kg(三脚含む)。三脚は専用のモノが付属。持ち運び用のバッグもあります(別途購入)。

Q.Wi-Fi接続は何台まで?

A.10台まで。各自自分のスマホから天体観測が可能です。

Q.夕方でも使える?

A.基本的には暗くないと使えません。あと、昼間の太陽はNGです。

Q.設置以外は全てスマホ操作?

A.はい。手動で動かすときもスマホで操作します。

まとめ

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ガチ初心者が天体観測をしてみた記事を紹介しました。

1点残念だったのが、天気です。本当は箱根での天体観測や、キャンプで使用する予定もあったのですが、8月と9月前半の週末の天気の悪さで叶わず・・・・・・。肉眼でも星がたくさん見える場所でeVscope eQuinoxを使うと、びっくりするぐらい綺麗な天体が見えるんだと思うと、また使いたくなります。

eVscope eQuinoxの価格は37万9800円。天体観測に興味があるけど、僕のようにまったくの初心者で足踏みしていた人はこれを機会に検討してみてはどうでしょうか。

関連リンク:eVscope eQuinox(+Style)

主な仕様

本体サイズ(幅×高さ): 約230×650mm(本体のみ、別途三脚が付属します)

重さ : 約9kg(三脚含む)

光学倍率 : 最大50倍

デジタル倍率 : 最大400倍(推奨:最大150倍)極限等級 1分間最大16等星(優れた条件下において数分間撮影した場合は最大18等星)

分解能 : 2アーク秒

ミラー直径 : 4.5インチ

焦点距離 : 450mm

センサーモジュール : IMX224

ディスプレイ : なし

連続動作時間 : 最大12時間

Wi-Fi : IEEE 802.11 b/g/n(2.4GHzのみ)

内蔵ストレージ : 64GB

センサー : 3軸加速度センサー、コンパス

アプリ : Android:6.0以降、iOS、iPadOS:12.0以降(GPS, W-Fi機能を利用できるデバイスのみ対応)

  

  

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