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Wednesday, August 19, 2020

ごみをバイオの力で燃料化 徳島県内3市町、25年度から導入(徳島新聞) - Yahoo!ニュース

燃やさず発酵・乾燥 香川・三豊市で先進事例

 微生物の力で可燃ごみを燃やさず、発酵・乾燥させ、石炭の代替燃料にする―。徳島県阿波市、板野町、上板町の3市町が2025年度から導入するごみ処理方式だ。欧州のモデルを参考に、17年に香川県三豊市が全国で初めて導入した。コストを抑えてごみをリサイクルできる方法とあり、全国の自治体の注目を集めている。三豊市の事例から、利点と課題を探った。  三豊市の山あいに立つ「バイオマス資源化センターみとよ」。燃えるごみの処理施設だが、燃やさないため煙突はない。中に入ると倉庫のような大きな空間が広がる。粉砕したごみを運ぶショベルカーが行き来している。  ごみは、<1>破砕<2>発酵・乾燥<3>異物除去―という流れで処理される。  まず、持ち込まれた可燃ごみ(内訳は、生ごみ6割、紙・プラスチック2割、紙オムツと草木で各1割)を細かく砕き、発酵しやすいよう木くずを混ぜる。密閉槽に17日間入れておくと、有機物が発酵し、温度が70度まで上がる。生ごみは分解され、紙やプラスチックは乾燥する。「バイオドライング(生物乾燥)」と呼ばれる技術だ。  生ごみや木くずは取り出して、新たなごみと混ぜて発酵の「タネ」とする。紙やプラスチックは、焼却時に炉を傷める塩化ビニール(プラスチックの一種)など異物を取り除く処理をし、固形燃料の原料にする。  密閉槽には、発酵と乾燥に適した環境を維持するため、温度や送風を制御するコンピューターが導入されている。それ以外、センターに複雑な装置はなく、現場で働くのは常時3人ほど。24時間稼働の焼却炉と違い、午後6時ごろにはみな退社するという。「シンプルな仕組みで、ごみをリサイクル可能な状態にしているのがこの施設」と鎌倉秀行センター長は話す。  ●従来版を改良  可燃ごみを固形燃料にする処理方法は日本では2000年代初期に広がっており、新しいものではない。ダイオキシンが問題視され、焼却炉の大規模化が図られる中、大きな施設がつくれない小規模自治体の選択肢のひとつが固形燃料化だった。できた固形燃料を個々の自治体で燃やすのではなく、1カ所に集約して燃やし、電力などでのエネルギー回収を目指したが、管理の難しさやコストがネックになり下火になった。  従来の方式と三豊市の方式で大きく異なるのが生ごみの扱いだ。「従来方式では生ごみは灯油などを用いて乾燥させるだけ。何かの拍子に水分が加わると発熱や可燃性ガス発生のリスクがあった」と国立環境研究所の河井紘輔主任研究員(廃棄物システム工学)は説明する。03年には、三重県にあった固形燃料を利用した発電所の保管施設で爆発事故が起きている。  三豊市の方式では、微生物に生ごみを分解させることで、「保管時の発熱リスクを小さくできる」(河井主任研究員)。また、乾燥させるために灯油などを使わないため、コストや二酸化炭素(CO2)排出も抑えられる。  三豊市は、12年度まで隣の観音寺市と広域行政組合をつくり、焼却処理を行っていた。新たな焼却施設の整備計画を進めていたが、前三豊市長が「ごみを資源化する」という方針を表明。両市の協議はまとまらず、三豊市が単独で現方式を採用した。  ●民設民営   センターは「民設民営」であることも特徴的だ。  センターを運営する「エコマスター」は、産業廃棄物から固形燃料を製造する「エビス紙料」と「パブリック」(ともに観音寺市)による共同出資で設立された会社。約16億円の施設整備費はエコマスターが負担した。三豊市の家庭と事業所から出る一般廃棄物の可燃ごみは年間約1万トン。ごみ1トン当たりの処理費2万4800円で20年の委託契約を三豊市と結んでいる。  三豊市環境衛生課は「広域処理時代は、施設の修理費を含め分担費が年3億円を超える年も。初期投資も約50億円かかった」とし、コスト削減ができたとする。  ●石炭より安く  他の自治体が導入する際のハードルになるのが、「固形燃料原料の販路を確保できるかどうか」(三豊市環境衛生課)だ。  三豊市の場合、固形燃料の原料は、エビス紙料など出資会社に運ばれ、固形燃料としての品質を上げるために産廃の紙やプラスチックが加えられ、製品として完成する。近くには、製紙産業で知られる愛媛県四国中央市がある。固形燃料は、ここの製紙工場などに石炭の約3分の1の価格で販売される。出資会社の従来の販売先だ。  つまり、地域の民間企業に元々あった固形燃料製品化のノウハウ、販売ルートも活用し、可燃ごみを処理しているのが三豊市だ。

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August 18, 2020 at 07:27PM
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