静岡県の掛川市・菊川市衛生施設組合は19日、ごみ処理施設が老朽化で故障を繰り返しているため、両市の家庭などで出るごみ(一般廃棄物)の全量を2025年度から市外に搬出する方針を明らかにした。新施設ができる30年度までの5年間を予定している。自前の施設で処理できず、長期にわたって全量を外部に搬出するのは珍しいという。
同組合が同日の掛川市議会の全員協議会に方針を報告した。20日に菊川市議会にも報告する。同組合によると、近隣の自治体など県内で複数の受け入れ先を確保する見込みがあり、調整を進めているという。
同組合は掛川市満水(たまり)の環境資源ギャラリーで両市のごみを処理してきた。しかし、不燃ごみと粗大ごみを受け入れるリサイクルプラザで21年8月に火災が起きて処理できなくなり、不燃と粗大を市外に搬出するようになった。
可燃ごみについては、1日に計140トンの処理能力を持つ焼却炉2炉が05年9月から稼働しているが、老朽化が進んでいる。近年、故障などによる停止が相次ぎ、20年6~8月に2176トン、昨年11月~今年1月に1543トン、今年7~8月に629トンのごみを市外に搬出した。
同組合は新施設ができるまで、改修か搬出かを検討し、搬出の方がコストが安く、安定した処理を続けられると判断した。試算では改修は約132億円、搬出は約121億円だった。改修しても突発的な故障が起きるおそれがあり、緊急の受け入れ先を探すのも難しいという。
掛川市は住民1人の1日あたりのごみ排出量が人口10万人以上50万人未満の自治体で全国最少の623グラム(21年度)、菊川市も人口10万人未満で県内最少の645グラム(同)。両市とも「ごみの少ないまち」として知られる。
掛川市議会の全員協議会では、市議から「ごみ減量を進める市が自分のごみを外部で処理してもらうのは異常だ」などの声が出た。市は新施設の検討を進め、「(市外搬出が)できるだけ短くできるよう取り組んでいる」と答えた。(大海英史)
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