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Saturday, April 22, 2023

1人当たり排出量高止まり 福島県、可燃ごみ実態調査 確実な削減対策構築 今夏にも - 福島民報

 福島県民1人1日当たりのごみ排出量が高止まりしているのを受け、福島県は今夏にも、可燃ごみの実態を初めて調査する。直近の2021(令和3)年度の1人1日当たりのごみ排出量は都道府県別で2番目に多い1029グラムで、全国平均を大幅に上回っており、ごみの内容を県内複数市町村で詳細に分析して減量可能な種類を洗い出し、より実効性の高い対策につなげる。

 福島県はこれまで、県内全22カ所の焼却施設に搬入されたごみを「紙・布類」「不燃物類」などの6項目で、発生量の傾向を捉えてきた。ただ、この項目だけでは再生紙などのリサイクル可能な物が含まれていても、詳しく把握するのが難しかった。

 福島県は昨年1月に策定した県廃棄物処理計画で、2026年度までに1人1日当たりのごみ排出量を923グラム以下にする目標を設定した。2019年度の排出量1035グラムを基準に年間平均16グラム以上減らす必要があるが、2021年度までに削減できたのは合わせて6グラムにとどまる。目標達成には今後、年間平均20グラム以上の減量が必要になるため、実態をより的確に把握した上で、確実な減量につながる対策構築が不可欠と判断した。

 2021年度の1人1日当たりの排出量が都道府県別で最も少なかったのは京都府の775グラムで、このうち京都市は本県に先駆けて約300項目に分けた実態調査を実施し、削減の成果を上げている。

 対象市町村など調査の具体的な内容は専門家の意見を踏まえ今後、詰める。季節によってごみの内容や性質が異なると考えられるため、夏と冬計2回の実施を想定している。

 実態調査に加え福島県は今年度、市町村を対象にごみ排出量削減に向けた会議を開く方針。実態調査の結果や全国の先進事例を伝え、県内の危機感を共有する。県一般廃棄物課の担当者は「ごみの排出量を減らすための特効薬はない。市町村と連携し、着実な排出量の削減に努めたい」としている。

■福島県2021年度ワースト2位 震災後急増、11年連続1000グラム超

 環境省のまとめによると、福島県と全国の1人1日当たりのごみ排出量の推移は【グラフ】の通り。福島県は東日本大震災発生直後の2011(平成23)年度に急増後、徐々に減少傾向にあるものの、2021年度はワースト2位だった。11年連続で千グラムを超え、ワースト3位以内が続いている。2021年度の全国平均は890グラムで、139グラムの開きがあった。全国ワースト1位は富山県の1032グラムだった。

 福島県のごみの総排出量は前年度比1万7千トン減の69万3千トン。このうち各家庭で発生した「生活系ごみ」は49万5千トン(前年度比1万6千トン減)、飲食店や企業などで発生した「事業系ごみ」は19万8千トン(同2千トン減)だった。

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