世界各地で深刻化するプラスチックごみによる汚染を止めようと、排出や廃棄を規制する国際条約作りが動き出した。2024年内に法的拘束力のある枠組みを作る方針で、交渉は今年、本格化する。
経済協力開発機構(OECD)は、19年のプラごみ排出量が約3億5300万トン、60年には3倍になると予測する。一部は海に流れ、観光や漁業など経済的な被害は年約130億ドル(約1・7兆円)になる。プラスチックは自然界では分解されないため、50年には蓄積した海中のプラごみが魚の重量を超えるとの試算もある。
流出したプラスチックは波や紫外線で砕かれる。5ミリ以下はマイクロプラスチック(MP)と呼ばれ、魚介類などを介して人体に取り込まれることで、健康に悪影響を及ぼす可能性が指摘される。また、石油から作られるプラスチックは燃やすと温暖化の原因になる二酸化炭素を出す。
各国は昨年3月の国連環境総会で、24年内に法的拘束力のある汚染対策条約を作る方針で合意。昨年11月28日~12月2日に、各国政府代表などがウルグアイに集まり、第1回の交渉会合を行った。今年は5月の第2回で条約に盛り込む内容の議論を始め、11月に第3回を開く。24年に交渉会合を2回行って条約作りを終え、25年以降に条約を採択する予定だ。
これまでの交渉で、各国はごみの削減だけでなく、プラスチックの生産から廃棄までのライフサイクル全体で削減に取り組む方向でほぼ一致した。削減に向けた国別行動計画を作る方針で、対策に必要な資金の仕組み作りも協議する。食品大手のネスレや消費財メーカーのユニリーバがプラ生産量の削減や再利用の促進を訴えるなど、経済界からも対策強化を求める声が強まる。国連のグテーレス事務総長は「プラスチックは形を変えた化石燃料だ。廃棄物だけでなく、プラスチック生産の蛇口を閉じようと呼びかけている」とツイートした。
条約交渉の対立点は?
ただ、第1回会合では、規制の対象や厳しさをめぐり各国の違いも浮かんだ。
中南米や欧州の約40の国や…
からの記事と詳細 ( 海のプラごみ、日本周辺「ホットスポット」 規制へ条約交渉本格化:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル )
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