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Tuesday, October 4, 2022

全面撤去、最低1カ月 災害ごみ、集積場の多くが満杯:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

 台風15号により静岡市清水区で大量に発生した災害ごみについて、市は3日、全面撤去には最低1カ月かかるとする見通しを示した。区内で最大42の小中学校が臨時休校したがすべてで授業が再開された。日常も戻りつつあるが、生活再建には時間がかかりそうだ。

 JR清水駅東口の海に面した場所に位置するENEOS遊休地。市が設置した仮置き場に3日、市民が車を使って訪れ、浸水した家具類や畳など廃棄物が次々と持ち込まれた。

 広さ約1万4千平方メートルあり、8千トンのごみを収容できるという。同区庵原町の遠藤俊治さん(75)は軽トラックで物置などを運び込んだ。「近所の寺の備品。そのままにしているのは檀家(だんか)の名折れ。搬入先は意外とすいていたので、もう一品取ってきます」と話していた。

 市はこれまで自治会連合会を通じて、各自治会に保管場所の確保を要請。公園などに臨時で集積場が設けられたが、多くの場所で満杯状態となっている。住民からは、ごみの山の崩落や発火など二次災害の発生を懸念する声も上がる。

 市によると、市内のごみの総量は推定2万トン超だが、回収は500トン程度にとどまっている。市の説明では、運搬するトラックや人手不足により、処理が追いつかない状況が続いているという。市環境局の担当者は「仮置き場を増やし、1カ月以内には(街頭から)撤去したい」と話した。

 市が設けた大規模な仮置き場は3日から当面、土日祝日を問わず午前9時から午後4時までの間、静岡市民が無料で災害ごみを持ち込むことができる。身分証の提示が必要という。(中村純)

陸自が撤収

 台風15号で被災した静岡県内に派遣されていた陸上自衛隊が3日、要請されていた復旧活動を終え、撤収した。陸自板妻駐屯地(同県御殿場市)から派遣された第34普通科連隊は9月26日から、大規模断水や集落の孤立など甚大な被害を受けた静岡市や川根本町で活動してきた。

 県によると、県が災害派遣要請をした9月26日以降、静岡市立清水病院など4カ所での給水活動を皮切りに、断水の原因になった取水口の土砂除去、孤立集落住民の避難誘導支援などに延べ約1千人が任務にあたった。3日も災害廃棄物を仮置き場に運搬するための支援にあたっていたが、県が同日夕、正式に撤収を要請した。

 自衛隊の災害派遣要請の遅れを指摘する声について、県の杉山隆通危機報道官は3日の記者会見で、派遣要請の判断に必要な各地の被災状況の把握が困難だったとし、「見切り発車は難しい」と話した。(床並浩一)

孤立集落が解消

 静岡県は3日までに、静岡市や島田市など県内で一時約600世帯とされた孤立集落が解消されたと発表した。アクセス道路の完全復旧まで一部住民は公営住宅に避難しているという。

     ◇

 静岡市の田辺信宏市長は3日、台風被害に関連して自衛隊への派遣要請など対応が遅れたとする指摘について、「今後検証していきたい」と述べた。記者団に語った。川勝平太知事との確執が要請が遅れた原因ではないかとの問いには「実務レベルでは県と市で協議していた」と反論した。

 発災時の初動をめぐっては先月24日朝までには土砂崩れ、断水、停電が市内で広範囲に起きたが、市が県を通じ陸上自衛隊に派遣要請したのは2日後の26日朝だった。隊員らの活動で、復旧作業が進んだ例もあり、市の対応の遅さや県との連携不足を指摘する声が出ている。

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