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Saturday, August 27, 2022

湘南の海岸に漂着した「海ごみ」が世界にひとつだけのネイルアートに 環境保護とおしゃれを両立 - 東京新聞

海ごみを使ったネイルアートを考案した有本奈緒美さん=神奈川県茅ケ崎市で

海ごみを使ったネイルアートを考案した有本奈緒美さん=神奈川県茅ケ崎市で

 海洋プラスチックなど海のごみが問題になる中、神奈川県茅ケ崎市のネイリストで車いすを利用する有本奈緒美さん(40)が、地元・湘南の海岸の海ごみをネイルアートに再利用する「海ごみネイル」を考案した。砂浜を走行できる車いすでビーチクリーン活動にも参加。素材を自ら集め、環境保護とおしゃれの両立を目指す。「指先から環境問題を考えるきっかけにしてほしい」と話す。(砂上麻子)

 ネイルチップ(つけ爪)に輝くブルーやピンクのパーツ。素材は湘南の海岸に漂着した海ごみだ。「同じ模様になることはない。世界にひとつだけの作品です」と有本さんは話す。

 海ごみは世界的に深刻な問題となっており、茅ケ崎の海岸でもビーチクリーン活動が盛んだ。ただ、集めた海ごみはそのまま捨てられることが多い。「せっかく集めたのに、またごみを出すのは納得できない」

ビーチクリーン活動で海ごみを集める有本さん

ビーチクリーン活動で海ごみを集める有本さん

 考えたのが、海ごみをネイルに活用する「海ごみネイル」。海ごみを洗浄し、乾燥させた後、細かくカットする。ネイルチップに直接のせるほか、チップを飾るパーツにつくり変える。今年5月から販売を始めた。利用者からは「海ごみに見えない」と驚かれる。

 車いす生活になったのは8年前。ウイルスが脊髄に入り込み下半身が徐々にまひする難病と診断された。診断後しばらくして歩けなくなった。市内の企業に就職したが、上司から病気や車いす生活の理解が得られず1年ほどで退職。障害者の求人はほとんどなく、起業を考えるようになった。

湘南の海岸で集まった海洋プラスチックごみ

湘南の海岸で集まった海洋プラスチックごみ

 趣味だったネイルの技術を磨き、2018年にネイルサロン「Plumeria Nail(プルメリアネイル)」を開業した。自分がネイルサロンに申し込んだ時、車いすだと伝えると「エレベーターがない」と断られた経験があり、車いすユーザーも利用できるようバリアフリーにした。

 ビーチクリーン活動も、市内の海岸で砂浜を走れる車いすを貸し出していることを知り、すぐに申し込んだ。「何でも工夫すれば挑戦できる」と前向きだ。海ごみ素材のネイルチップ開発にも取り組んでいる。「障害があっても環境問題に貢献できることを知ってほしい」と話す。

海ごみを再利用した「海ごみネイル」

海ごみを再利用した「海ごみネイル」

 海ごみネイルはオーダーメードで、パーツの数にもよるが8000円から。パーツ1個につき200円を全国のビーチクリーン団体に寄付する。問い合わせは、プルメリアネイル=電050(5329)0898=へ。

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