2020年11月02日07時03分
「大阪都構想」が1日、否決された。実現を目指した日本維新の会にとって打撃だ。看板政策が地元の理解を得られず、次期衆院選で狙う全国展開の推進力を失った形で、今後は国政で厳しい立場に立たされそうだ。松井一郎代表(大阪市長)は否決を受け、市長の任期満了後の政界引退を表明。将来的に党が維持されるかも見通せない。
「敗因は僕の力不足だ。けじめをつけなければならない」。松井氏は1日深夜、大阪市内のホテルでの記者会見で、今回の住民投票結果の責任を取る考えを示した。
会見に同席した公明党の佐藤茂樹大阪府本部代表も「厳粛に受け止めたい。民意を尊重して、大阪がどのようにすれば発展するかゼロベースで検討したい」と語った。
維新は住民投票で、松井氏、吉村洋文大阪府知事、所属国会議員らが総出で運動を展開。前回は反対したものの今回は方針転換した公明党も、山口那津男代表が現地入りして賛成を呼び掛けた。だが、投開票日が近づくにつれ賛否が拮抗(きっこう)。最終的に反対が上回った。
これに対し、立憲民主党の辻元清美大阪府連共同代表は自身のツイッターで「何とか大阪市を守ることができた」と安堵(あんど)。共産党の小池晃書記局長は取材に「大阪市民の良識ある審判に敬意を表する。維新は二度目の審判を受けて、大阪市廃止、都構想については完全に断念するべきだ」と語った。
維新は次期衆院選で、住民投票の実績を前面に掲げ、全国で70人程度の候補者を擁立して勢力拡大を図る戦略だった。そうしたシナリオが崩れ、党内には重苦しい空気が漂う。
橋下徹氏に続き、今回の否決で党創業の功労者も失うことになり、党の存続が危ぶまれる。与野党からは「維新はいずれ内部崩壊する」との見方も出ている。
一方、反対の立場だった自民党大阪府連や立憲民主党、共産党は投票結果を歓迎。維新が失速すれば近畿圏を含め全国展開に歯止めがかかり、衆院選を有利に運べるとにらむ。
維新とのパイプを維持してきた菅義偉首相は、自民党大阪府連が反対の立場だったことから、住民投票を静観してきた。結果的に維新に打撃となる結果に終わり、今後の政権運営にも微妙な影響を与えそうだ。
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