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Monday, October 30, 2023

核のごみ処分地「日本に適地はない」 地質学者ら300人が声明公表:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

 原発使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物核のごみ)の処分地選びをめぐり、地球科学の専門家有志が30日、「日本に適地はない」とする声明を公表した。地殻変動の激しい日本では、廃棄物を10万年にわたって地下に閉じ込められる場所を選ぶのは不可能と指摘。処分の抜本的な見直しを求めた。

 声明には、日本地質学会の会長経験者を含む研究者、教育関係者や地質コンサルタントら300人あまりが名を連ねた。

 核のごみの処分手続きを定めた最終処分法は、場所を探せば、地下への「地層処分」ができる前提で2000年に成立した。

 声明は「日本列島は複数のプレートが収束する火山・地震の活発な変動帯」と指摘。先行する北欧と同列に扱い、封じ込めの技術で安全性が保証されるとみなすのは「論外」と批判した。

 岩盤が不均質で亀裂も多いうえ、活断層が未確認の場所でも地震が発生。地下水の流れが変化し、亀裂や断層を伝って放射性物質が漏れ出す可能性があり、10万年にわたり影響を受けない場所を選ぶのは「現状では不可能」と主張。最終処分法を廃止し、地上での暫定保管も含め、中立的な第三者機関を設けて再検討するよう求めている。

 核のごみの処分地選びでは、北海道寿都町と神恵内村で、3段階の調査の第1段階にあたる文献調査が大詰めを迎えている。長崎県対馬市でも文献調査の受け入れを求める動きが表面化した。

 声明呼びかけ人の一人、赤井純治・新潟大名誉教授は記者会見で「科学的な議論にふたをし、地層処分ありきで進められてきた。科学的な議論にもう一度、立ち返る必要がある」と話した。佐々木英輔

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