積み上がったゴミ袋の「くぼみ」が依頼者の寝床になっている(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
看護師として働く30代の女性は、夜勤を終えて自宅に戻ると部屋に積み上がったゴミの中にある「くぼみ」に横になった。一人暮らしは長いが、ゴミ屋敷になってしまったのは今回が初めてだ。彼女はもともと片付けが好きで、趣味はインテリアだった。自分の部屋にはこだわりを持っていたはずだった。
本連載では、さまざまな事情を抱え「ゴミ屋敷」となってしまった家に暮らす人たちの“孤独”と、片付けの先に見いだした“希望”に焦点をあてる。
ゴミの上にある「くぼみ」で眠る30代の女性
関西地方にあるワンルームマンション。廊下はびっしりとゴミで敷き詰められていた。「自分の私物よりもゴミのほうが多くなってしまっている状態なんです」と依頼者の女性が話すように、廊下には使用済みの生活用品やそのパッケージ、空のペットボトルなどが散乱している。
奥の洋室の壁際には目線の高さまでゴミが積み上がっていて、圧迫感がある。目立つのは封のされた小さなゴミ袋とネットショッピングの段ボール箱だ。とてもじゃないが夜勤の疲れを癒やしてくれる部屋とは言えないだろう。
今までゴミ屋敷になったこともなく、インテリアに凝るのが趣味だという女性。この部屋に住みだして3年が経つというが、どうしてこんなことになってしまったのだろうか。
「職場を変えたことを機に体調不良がずっと続いていて、仕事に行って帰ってきても食べて寝るだけでもうやっとの状態で。だんだん片付けられなくなってしまって。片付けと掃除はもともと好きだったんです。インテリアも好きだったんですけど、それさえできなくなってしまって。ちょっとこの状態で言うのもちょっと説得力ないんですけどね」
ゴミ袋が山積みになった洋室(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
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