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Friday, July 21, 2023

記録的大雨から1週間… 災害ごみ山積み、復旧作業道半ば|秋田魁新報電子版 - 秋田魁新報電子版

 秋田県内を襲った記録的大雨の降り始めから21日で1週間となった。水に漬かった地域では、使えなくなった家具や災害ごみが路上に山積みとなったままで、復旧作業は道半ば。避難生活を送る被災者は疲労の色を濃くし、今後の暮らしに不安を募らせる。日常を取り戻すには、なお時間がかかりそうだ。

秋田市大住地区のごみ集積所はごみ袋であふれかえっている=21日午前10時45分ごろ


 たんす、冷蔵庫、ソファ、カーペット…。広範囲で冠水し、住宅浸水が相次いだ秋田市大住地区の路上には、家具や家電など大量の災害廃棄物が並ぶ。ごみ集積所や公園周辺などにもごみ袋が山積。市は車両や人員を増やし収集体制を増強したものの、廃棄物が多すぎて追いつかない。

 広田由香子さん(57)は「車に入らない大きさの家具ばかり。(仮置き場まで)運べないので自宅前に置いている。(行政に)運んでもらえたら助かる」と訴える。上田相寿さん(74)も「カーペットや室外機など大量の廃棄物が出たが、車が水没して動かないので、運び出す手段がない」。

住宅の前に水に漬かって使えなくなった大量の家具などが置かれている秋田市大住地区=21日午前11時15分ごろ


 市が地区周辺に設けた災害廃棄物の仮置き場は、潟中島第二街区公園と大住小学校グラウンドの2カ所。どちらも既に満杯で閉鎖されている。旧空港跡地(新屋町)は利用できるが、自力では運べない住民が少なくない。市は21日、仮置き場から廃棄物を搬出してもらうため県を通じて自衛隊に災害派遣を要請した。

 被災者の避難生活も長引いている。県内では21日時点で、秋田市、五城目町、男鹿市の計107人が避難所に身を寄せている。

 このうち秋田市は最も多い73人。東部市民サービスセンター(広面)にはピーク時に150人以上が避難した。現在は避難者の大半が日中に自宅の掃除や片付けをして、夕方以降に避難所で過ごす生活を送っているという。

 足が不自由で手すりがないと移動できないという1人暮らしの女性(85)は、15日からセンターに避難し、一度も帰宅できていない。自宅は床上まで水に漬かった。娘夫婦に掃除や片付けを任せている。「自宅には手すりがあるので1人でも生活しやすい。早く家に帰りたい」と疲れ切った表情を浮かべた。

 今回の大雨は14日から降り続いた。15日には秋田市添川で住民4人が土砂崩れに巻き込まれ、軽傷を負った。16日には五城目町で水没した車の中から男性1人が見つかり、死亡が確認された。21日現在、県内で損壊や浸水の被害に遭った住宅や公共施設は計1269棟に達した。今後も増える見通し。五城目町や八峰町などの一部地域では断水が続いている。

 秋田市や能代市の計12万人余りに出されていた避難指示は、21日午後3時半までに全て解除された。土砂崩れに伴う秋田市寺内の国道7号の通行止めも、同日午後4時に解除された。JR秋田駅の東西を結ぶ秋田中央道路の地下道は、冠水のため依然不通のまま。朝夕を中心に迂回(うかい)路が混雑している。

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