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Thursday, June 22, 2023

核のごみ最終処分地選定 文献調査要件案まとめる 経産省 - nhk.or.jp

いわゆる「核のごみ」は、日本で原子力発電が始まってからおよそ60年がたつ今も、最終的な処分の見通しが立たず、原子力政策における最大の課題とも指摘されてきました。

「核のごみ」は、原子力発電所で発生する使用済み核燃料から再び使用するプルトニウムなどを取り出したあとに残る廃液をガラスで固めたもので、人が近づくと10数秒で死に至るレベルの強い放射線を出します。

放射線を出す能力は時間とともに弱まりますが、天然のウラン鉱石などと同じレベルになるまでには数万年かかるため、専用の容器に入れて地下300メートルより深い場所に埋める「地層処分」を行う方針が、2000年に成立した法律で定められています。

海への投棄は国際法によって禁止され、地上で数万年以上保管するのは自然災害などのリスクが大きくなるため、数万年単位で環境が変わらないと考えられる地下深くの地層に隔離することで、人が管理しなくても安全上のリスクを十分小さくできるという考え方です。

最終処分場は全国に1か所建設されることになっていて、事業を担う国の認可法人、NUMOが、2002年から処分場の適地があるか調べる調査を受け入れる自治体を公募しています。

調査は、20年程度かけ3段階で実施され、
▽はじめに、文献をもとに火山や断層の活動状況などを調べる「文献調査」に2年程度、
▽次に、現地でボーリングなどを行って地質や地下水の状況を調べる「概要調査」に4年程度かけることが想定され、
▽その後、地下に調査用の施設を作って岩盤や地下水の特性などが処分場に適しているか調べる「精密調査」を14年程度かけて行います。

段階に応じて、対象の自治体には交付金が支払われ、はじめの「文献調査」で最大20億円、次の「概要調査」では最大70億円が支払われます。

この公募をめぐっては、2000年代半ば以降に鹿児島県や長崎県、秋田県などの自治体で勉強会を開くなどして応募を検討する動きがありましたが、それが表面化するたびに住民や周辺自治体などから反発を招き、断念するケースが続きました。

2007年には、高知県の東洋町が全国で初めて調査に応募しましたが、賛成派と反対派の対立の末、その後の選挙で町長が落選し調査が始まる前に応募は撤回されました。

その後、2011年の東京電力福島第一原発の事故などを経て、調査の受け入れが表立って議論される機会はなくなっていきました。

このため政府は、2017年に文献などをもとに火山や活断層の有無などを確認し、調査対象の有望地を色分けして示した「科学的特性マップ」を公表して、全国で説明会を開くなどして、改めて調査への理解を求めてきました。

こうした中、3年前に北海道の寿都町と神恵内村が調査受け入れを決め、この2つの町と村を対象に、第一段階の「文献調査」が全国で初めて進められています。

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