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Sunday, June 5, 2022

相模湾の深海にプラごみ堆積 ラーメンの袋やバケツ(写真=共同) - 日本経済新聞

海底で見つかったバケツを回収する有人潜水調査船「しんかい6500」のアーム(4日、相模湾)=海洋研究開発機構提供・共同

海洋研究開発機構の有人潜水調査船「しんかい6500」は5日までに、相模湾の水深約750メートルの海底にインスタントラーメンの袋やバケツなど多数のプラスチックごみが堆積しているのを確認した。水深約千メートルでは白いレジ袋などを発見した。深海に沈んだプラごみは分解されずに長期間にわたって残るとみられるが、実態はほとんど分かっていない。海洋機構はごみの種類や分布などを詳しく調べ、生態系への影響や海底の汚染状況の解明を目指す。

しんかい6500が水深約750メートルの海底をライトで照らし出すと、赤や白のプラスチック袋が沈んでいた。一部は泥がついたり端がぼろぼろになったりしていたが、商品名や表示ははっきりと確認できた。ピンクのバケツは半分近くが泥に埋まっていたが、元の形��を完全に保っていた。岩場では複数のプラごみが引っかかっているのが見えた。

調査船は5月22日から6月10日まで、相模湾や伊豆諸島周辺など数カ所の海域を回る。最大約5500メートルの深さまで潜り、日本周辺の深海に沈むプラごみの実態を探る考えだ。伊豆諸島周辺の海底数カ所でもプラごみを見つけた。プラごみの一部を回収し、海に流入して海底にたどり着いた経路や、素材の劣化の程度を調べる。

群馬大と東大の研究グループも乗船し、環境への負荷が小さい「生分解性プラスチック」の実証実験をする。これまでの生分解性プラスチックは土壌中で自然に分解されるが、海水中でも分解される新素材の開発を目指す。プラごみの表面に付いた微生物を分析し、海中で分解されやすい材質づくりに役立てる。

海洋機構の中嶋亮太グループリーダーは「プラスチックを大量に消費しているアジア地域から海に流入したごみは、黒潮に乗って日本近海に集まっている可能性が高い。大量のプラごみが最終的に海底に沈んでいるとみられる」と指摘した。

海洋機構は2019年の調査で水深5700メートルの海底から、30年以上前に製造されたプラごみを見つけた。〔共同〕

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