「ミトコンドリア」の量が脂肪燃焼の鍵を握る
「昔は食事制限すればすぐにやせたのに!」となってしまうカラクリとは?(写真:ペイレスイメージズ1(モデル)/PIXTA)
コロナ禍の運動不足で体重増加が止まらないという声を、よく耳にするようになりました。しかし通勤や外出の回数が減っていなくても、運動量が減っていなくても、特に食事を変えていなくても、じつは30代半ばを過ぎると男女問わず体重も体脂肪率も増える傾向にあるようです。これを「歳を取って代謝が落ちたから」と結論づけてしまうのは簡単ですが、いいのでしょうか。
ミトコンドリアっていったい何?
歳を重ねるごとに「食べなければやせるが通用しなくなった」と悩む方は多く「30代半ばを過ぎてからはやせるどころか体重が増え続けた」とおっしゃる方も少なくありません。もし日々の活動量や食事の内容に大きな変化はなく、これという原因もないのにダイエットをしても体重が減らなくなったとしたら、体内の「ミトコンドリア」が激減してしまったのかもしれません。
「ミトコンドリア? なんだか難しそう……」
こう思われた方、ご安心ください。
ミトコンドリアは、体内に溜め込んだ脂肪や糖をガンガン燃やしてくれる強力な味方です。脂肪や糖を消費して、体を動かすエネルギー源となる「ATP(アデノシン三リン酸)」を24時間休むことなく合成してくれる細胞内の小器官で「細胞のエネルギー工場」と呼ばれることもあります。
このミトコンドリアが減ると、体は火をつける芯を失ったロウソクのような状態に。ロウ(脂肪や糖)を燃やすために火をつける芯(ミトコンドリア)が減れば当然、脂肪は体に溜まる一方になります。きれいにやせるには、溜まった脂肪をいかに消費するかが最重要課題。ミトコンドリアが減ると、それが困難になるわけです。
「体内のミトコンドリアが減っている」なんていわれても、見ることも意識することもできないし何のことやら、と思われたかもしれません。ミトコンドリアが減ったかどうかを知る目安は2つあります。1つは体の冷えです。ミトコンドリアの含まれる量が多い筋肉細胞が加齢とともに減ると、体が 熱をつくる量も少なくなります。これが冷えを起こすのです。
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