2021/05/30 07:13 ウェザーニュース
ジメジメした梅雨はカビが気になります。なかでも壁紙に生えたカビは、処理をためらってしまうこともあるのではないでしょうか。全国で家事代行サービスなどを展開するカジタク・サプライヤチームの鈴木健吾さんに、壁紙のカビの落とし方を教えていただきます。
「カビが生える条件はいろいろありますが、大きく影響するのが湿度です。予防のために部屋の換気が有効ですが、梅雨どきは屋外も湿度が高いですね。また、部屋干しや料理など生活のなかで、湿度も上がりやすくなります。壁紙が水分を含んでカビの増殖を招いてしまうのです」(鈴木さん)
カビが生えたままにすると、見た目が悪いだけではありません。
「放置しているとカビが広がるだけでなく、深く根付いてしまうのでやっかいです。さらに、カビの胞子がアレルギー発症を招いたり、餌にするダニが増えたりと、健康に悪影響が出る可能性もあります。できるだけ、はやく処理した方がいいでしょう」(鈴木さん)
「酢を使って下処理をしてから、重曹を使って落とします。殺菌のため、消毒用アルコールをスプレーし、十分に乾かします。これでカビ自体の処理はできますが、色素が残ることもあります。
さらに処理する場合は、壁紙の材質によって塩素系漂白剤かカビ取り洗剤を使います。ポイントは、壁紙が水を吸うか吸わないか。洗面所や浴室、キッチンなどの水回りの壁紙は水を吸わないタイプ。ビニールクロスも水を吸いません。布クロスなどは、水を吸うタイプです。水を濡らした指で触れたり、少量をスプレーすると確認できます」(鈴木さん)
▼用意するもの
酢、水、重曹、消毒用エタノール、スプレーボトル、雑巾など
▼下処理
(1)壁紙のホコリを雑巾やハンディモップで落とす
(2)酢を倍量の水で薄め、カビにスプレーする
▼カビの除去
(1)重曹小さじ1に対して水100mlを混ぜ、カビにスプレーする
(2)約5分放置する
(3)雑巾で拭き取る。歯ブラシなど柔らかいブラシで擦(こす)ってもよい
(4)消毒用エタノールをスプレーし、乾かす。部屋の換気をよくする
▼黒ずみなどが残っている場合
【水を吸わない壁紙】
(1)ジェル状の塩素系漂白剤を歯ブラシなどでカビ部分に優しく塗り込む
(2)処理後は、漂白剤が残らないよう水拭きし、さらに乾拭きして乾かす
※色落ちしないか目立たないところで試します
【水を吸う壁紙】
(1)固く絞った雑巾で、優しく擦る
(2)残ったカビに「壁紙用カビ取り洗剤」をつける
(3)乾いたら、雑巾で拭き取る
「作業中にカビを体内に取り込んでしまわないよう、注意しましょう。メガネやマスクを着用し、カビに素手で触らないようにします。また、カビを散らしてしまわないよう、雑巾は一度拭き取った面を再度使わない、ブラシで擦るときは飛散させないように始末します。
塩素系漂白剤やカビ取り洗剤も刺激が強いので、使用中・使用後は換気に注意し、しっかり乾燥させましょう」(鈴木さん)
「カビ予防には湿度の管理が重要です。空気がよどまないよう、タンスなどの家具は5cm~10cm、冷蔵庫などの家電は10cm~15cm程度、壁から離して配置します。除湿器で除湿したり、換気扇やサーキュレーターなど活用して空気を循環させます。ホコリもカビの原因となるので、こまめな掃除を心がけましょう」(鈴木さん)
ジメジメした日々が続きますが、壁紙がすっきりきれいになると気分も上がりますよ。
取材協力:アクティア株式会社(https://ift.tt/2orF8Vz)
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