松本市安曇の北アルプス・上高地にある小梨平キャンプ場で八日深夜から九日未明にかけてツキノワグマが出没し、東京の五十代女性が襲われて右膝に軽傷を負った。環境省上高地管理官事務所によると、上高地で人がクマに襲われてけがをしたのは初めて。上高地では以前からクマの目撃情報が相次いでおり、生態に詳しい専門家は、クマが観光客らが残した食べ物やごみの味を覚え、餌を求めて襲った可能性があるとみて注意を呼び掛けている。
ツキノワグマの生態研究や保護活動をしている「信州ツキノワグマ研究会」（松本市）の浜口あかり事務局長（３６）は「クマは臆病だが、食べ物への執着が強い。キャンプ場以外でもにおいに引きつけられ、人の近くに寄ってくる可能性はある」と指摘。
同キャンプ場では、ふた付きのごみ箱が設置されている。ごみは分別し、搬出する時間はクマが活動する夜間を避けたり、食品や食器は袋に入れてテント内で保管したりするように求めている。
ただ、クマの嗅覚は犬の数倍といい、クマが襲った後のキャンプ場にチョコレートの包み紙が散乱していたことから、チョコレートのにおいに気付いた...
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